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福井弁しゃべらナイト



 ☆第2回目:福井弁の基礎(2)

 2回目の今回も、福井弁の特徴について触れていきたいと思います。


 B 音便形(撥音便・促音便)となる言葉が多い。

 前回の講義でも少し触れたように標準語の「それで」「そで」または「ほで」という
ように撥音となる。

 また基本形で普通だが、活用されると撥音となる言葉もあり、例えば標準語で「捨てる」の意
 の「ほる」も以下のように使われる。

 「はよ、ほねま」   ”早く捨てなさい”の意


 次に促音便(促声)、つまる音になる言葉もいくつかあり、

 標準語    ひどい
           ↓
 福井弁    で(い)


 標準語    ちからいっぱい

 福井弁    から(い)っぺ

 などは代表的な例である。


 C 命令形

 通常相手に命令する場合、活用形未然・連用・終止・連帯・仮定・命令)の中の
命令形
を使う。これは福井弁でも標準語でも同じだが、これでは大変キツイ表現になる。
 そこで相手にやんわりと命令する場合、標準語では「〜なさい」を使う。
これは動詞の連用形に、完了の助動詞「ぬ」の命令形「な」軽い敬意を示す助動詞
「さる」の命令形「さい」を組み合わせた表現で、以下のようになる。

 終止形 活用 命令形 連用形+「なさい」
 行く 五段 行け 行きなさい
 やめる 上一段 やめろ やめなさい
 食べる 下一段 食べろ 食べなさい
 来る カ変 来い 来なさい
 する サ変 しろ(せよ) しなさい


 福井弁も同じような仕組みであるが、動詞の連用形完了の助動詞「ぬ」の命令形(文語)
「ね」と和らげる意味を持つ「ま」をくっ付けて以下のようになる。

 動詞の連用形+助動詞「ね」+接尾語「ま」


 連用形+「ねま」
 行きねま
 やめねま
 食べねま
 きねま
 しねま

 これに前述の「早く」の意の「はよ」を付けると、

 「はよ、行きねま」や「はよ、しねま」とかとして使う。



【コーヒーブレイク】

 以前こんな笑い話を聞いたことがある。
 営業で他県から赴任してきた人が福井の人に


 『福井の女性っておっかないですね!』

 「どうして?」

 『さっきある家の玄関先で奥さんと話をしていたら、奥さんがお祖母ちゃんに、
  「早く死ね!」って言うですよ!』

 「えっ?」

 『ああいうのを鬼嫁っていうですかね・・・?』

 「・・・・。(大爆笑)」

 彼は、「お祖母ちゃん。はよ、しねま!」の意味を知らなかったのである。



 今回の講義は以上です。では次回もお楽しみに!


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