テラめし倶楽部

 ■バトル392 観戦者 Counter
 「中華そば(ラーメン2玉・うどん2玉、もやし多め) 2009.8.29・対戦
 大丸(名古屋市千種区) 550円
中華そば(ラーメン2玉・うどん2玉、もやし多め)(550円)
草木も眠る丑三つ時。なんと、この時間にオープンするお店がある。 全く営業しているように見えない。
 オフ会のため、半年振りに名古屋へ向かう。オフ会は正午からなので、朝出発でも充分間に合うのだが、1軒寄りたいお店があるので、前日の23時に自宅を出発。
 北陸道から名神・東名と走り、日付が変わった深夜1時半名古屋ICに到着。ETC土日祝割引のおかげで、ここまで1,000円でやってこれた。ありがたいな〜。
 東山通り(県60)を中心部方面に進み、今池交差点で環状線へ左折。この近くにお目当てのお店があるらしい。
 (えっ!こんな時間にお店がやっているの?)
 そう、やっているどころか、なんと草木も眠る丑三つ時にオープンするラーメン屋さんがあるのだ。
 駐車場はないらしいので、今池周辺のコインパーキングにマーチを停め、深夜の名古屋市内を歩きながら、お店を探す。
 織田信長 (たしか、この辺りだと思うんだが・・・)

 通りにはかすかな街灯の灯りがあるだけで、大半のお店やビルは真暗。すると歩道に佇む1人の男性の姿を発見。
 男性が立つ前の建物を見ると、入口の扉が半分開いていて、中から灯りが漏れている。だが看板や暖簾らしきものも出ておらず、もしこの男性が居なかったら、通り過ぎてしまったかも。
 織田信長 (もしかして、ココがそうなのかな?)

 恐る恐る男性に尋ねてみる。
 織田信長 「すみません。ココ、大丸ですか?」
  『そうですよ。』

 無事、目的地の大丸(だいまる)に到着。オープンはまだのようなので、男性同様店先で開店を待つ。

 実はこの大丸。4年ほど前からピックアップしており、ずっと来たかったお店だったが、問題は前述の営業時間。ネットにいくつか情報があるが、深夜2時頃に開店し、早朝5時頃に店じまいと普通なら寝ている時間のみ営業している。しかも開店・閉店時刻とも日によってマチマチで、遅いときは3時開店という日もあるらしい。

 一服しながら待っていると、お店の中から
  『入っていいよ〜』 と声がかかる。

 先陣の男性に続き、入店。この日の開店は2時半だった。

日中の2時半じゃありません!(笑)お店の壁にはイベントなどで使うようなIDシールがいっぱい貼られていた。

 店内は3畳あるかどうかというぐらい狭く、カウンターで6席のみ。このためよく行列ができ、30分待ちはザラらしいが、すんなり入れてラッキー!
  『いらっしゃい!何にする?』
 ご主人からこう尋ねられるが、メニューはたった1つ、中華そば(550円)のみ。
 だったらなんで聞くの?とツッコミたくなるが、大丸の中華そばは一見というか、非常に変わっているのだ。

 中華麺(ラーメン)に鶏ガラベースの醤油味スープ。そこに甘辛く煮付けたばら肉、ナルトや竹輪といった練り物に、もやしとキャベツの野菜。これが一応デフォルトらしいが、あくまでも基本形。その日の在庫やお客の好みで変幻自在に変化する。

 まずは。デフォで1玉半あり、中華麺だけでなく、なぜかうどんきしめん蕎麦にも変更もできる。しかも中華麺1玉・うどん半玉とか中華麺1玉・きしめん半玉・蕎麦半玉という具合にミックスすることや麺の増量・お替りも可能。
 また肉や練り物、野菜も、それぞれ抜き・少なめ・多めと、好みに合わせてボリュームを変えられる。
 驚くのは、これら全てが550円均一ということ。

 う〜ん、何にしよう?先陣の男性は何度も来られているそうで、テキパキと注文をコール。

 悩んだ末、ラーメン2玉・うどん2玉、野菜多めをコール。注文は無事通るが、うどんは一緒に入れると溢れてしまうので、お替りで出すとのこと。

 待つ間、店内を観察。店内の壁には、イベントなどで使うスタッフIDのシールのようなものが所狭しと貼られていた。
 ご主人になんでこんな深夜に開けているのか尋ねたところ、昔はもっと早い時間から開けていたそうだが、次第に遅くなり現在の時間帯になったとのこと。店内が狭いため、この時間帯の方がお客さんを待たせる時間も少ないからだそうだ。そりゃ、こんな深夜に来る客は限られていますよね(笑)
 また休日は原則無休で、大晦日や正月も営業しているとのこと。休むのはご主人が疲れて動けない時だけで、この数年は一度も休まれていないそうだ。結構ご年配の方だが、このバイタリティ、見習わなければ・・・
 注文から5分経過。男性の注文が出来上がったようだ。
  『はい、立って下さい。』

 ご主人がこう告げると、男性は席を立ち、手馴れた様子でカウンター上の布巾を両手に持って待機。するとそこに中華そばが置かれ、男性はその布巾を使って丼をリフトアップ。自分の席に運ぶ。
 これは大丸では欠かせない作法というか儀式で、お店が狭くしかもカウンターが少し高くなっているため、料理を出せるスペースが1箇所に限定されている。そこでご主人がそこに丼を置いて、お客に取ってもらうシステムなのだ。布巾を使うのは、丼が熱いので、鍋掴みのような役割を果たす為。なるほど。続いて私にも、
  『次のお兄さんも、立って下さい。』
 はいはい。大丸初心者の私は、先ほどの男性の作法を思い出しながら、布巾を手に持ちスタンバイ。

もやしが山盛りの中華そば。

 こんもり盛られたモヤシの山。そして脇にはばら肉竹輪などが顔を覗かせている。これが待望の大丸の中華そばだ。

 まずはスープをひと口。うん醤油味だが、ラーメンというよりうどんスープのような節系の味もし、意外とあっさり。
 男性の話では、最初胡椒か、七味でいただき、途中からお好みで醤油ソースラー油などで味変するといいそうだ。中でも男性はソースをかけると、より美味しくなるとのこと。
 織田信長 (え〜、ラーメンにソース??)

 そりゃ私はご飯にソースをかけて3杯いただけるソース大好き派だけど、ラーメンにソースはもちろん未体験であり、ちょっと想像がつかない。

 トッピングのばら肉は、甘辛く煮てあり、やや固め。缶詰の大和煮のような感じである。またもやしは茹でただけなので、そのままでは味気がない。
 もやしを半分ほど食べたところで、男性から薦められた中濃ソースをかけてみる。

 織田信長 (・・・、うん?意外とイケるじゃん!)

 半信半疑でもやしにソースをかけたが、これが結構イケる。ソース本来の甘くてスパイシーな味が、あっさり系のラーメンスープとマッチし、以前食べたスープ入り焼きそばのような感じ。う〜ん、まさに”百聞は一見にしかず”とはこのことである。

  『うどん、茹で上がったよ!』

 まだラーメンが1/3ほど残っているが、先ほどのスポットに丼を置き、うどんを入れてもらう。
  『まだまだあるから、足りなかったら言ってよ。』

 お替りのうどん2玉も平らげ、完食
 食べ終えると、外に入店を待つ姿があったので、そうそうに席を譲る。会計時、わざわざ福井からやって来たことが分かると、大層驚かれご褒美?にを頂いた。ありがとうございます。

ご主人から飴を貰った。

 うどんとラーメンが混じり、ソースや色んな味がする中華そば。お味は間違いなく賛否両論あると思うが、私は意外とまた食べてみたい味だった。


 【ご注意とお願い】

 本文でも触れたように、大丸さんはカウンター6席と狭く、しかも高齢のご主人お1人で切り盛りされています。
 このため、大勢で行かれると、たださえ回転が悪いところに輪をかけて、大混雑になりお店や他のお客さんに迷惑をかけかねません。
 なるべく少人数にし、よしんば複数で行かれたとしても、食べ終えた人から席を譲る深夜なので外で騒がないなど、是非マナーを守っていただければと思います。

 また店内は撮影禁止で、禁止の理由は、大丸の中華そばは日によって多少内容や出来映えが変わったりするにもかかわらず、以前写真通りじゃないというクレームを付けた愚者がいたからだそうです。
 なお今回ご主人に特別に許可を貰い、上記の3枚を撮らせていただきました。



ボリューム ★★★★☆
★★★☆☆
インパクト ★★★★☆
料金 ★★★★★
お店の印象 ★★★★★
テラめし度 82テラ
所要タイム 15分・KO勝ち
難易度 ちょいヤバ

 お店DATA 
 「大丸」

 愛知県名古屋市千種区今池5-38-23 (名古屋環状線沿い)
 電話/不明
 営業時間/2:00頃〜5:00頃
 定休日/原則無休(ご主人が疲れた時)
 駐車場/なし ※付近にCP(60分100円)あり
 地図
 ※営業時間・定休日は変更されている場合があります。
「大丸」  住所/愛知県名古屋市千種区今池5-38-23 電話/不明 営業時間/2:00頃〜5:00頃 定休日/原則無休 ※ご主人が疲れた時 駐車場/なし