2006春 広島ツーリング
 2006年3月22日(水) 曇りのち雨
 2日目:尾道・大和ロケセット
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 旅の朝
 3月とはいえ、夜はけっこう冷えた。寝袋の他に薄手の毛布を持ってきたが、寒さで2時間置きに目が覚める。
 6時、起床。お湯を沸かしてコーヒーを入れる。旅の朝の1杯は格別だ。
 カップ麺の朝食を済ませ、撤収にかかる。風が強くなってきており、やはり天気が悪くなりそうだ。三原市街は混雑するだろうから、早めに出発しよう。

幸運なことに雨は降っていなかった。
目覚ましのコーヒー。 三原と瀬戸田(生口島)を結ぶフェリー。
さぁ出発だ!  この公園は近くの人々の散歩コースになっているのか、ウォーキングを楽しむ人々がテントの横を通り過ぎる。

 「おはようございます!」

 最近は誘拐や殺人が多発するせちがないご時世なので、不審者と間違われて通報されないように、キチンと挨拶をする。(笑)

 8時、海浜公園を出発する。

 
 
 R2
向島と因島を結ぶ因島大橋。  R2に入り、三原市街にさしかかるとやはり渋滞。三原から糸崎の間は昔からよく渋滞していたが、今日は一段と混んでいる。
 いくらなんでもひどい混み具合だなと進んでいくと、1台のダンプが車軸が折れて立ち往生していた。こいつが渋滞の元凶か!

 
 
 尾道市街
 9時、尾道市街に到着。尾道は大林宣彦監督の尾道3部作(転校生・時をかける少女・さびしんぼう)新3部作(ふたり・あした・あの,夏の日‐とんでろ じいちゃん‐)の舞台としても有名だ。
 特に3部作は全てビデオを持っており、セリフをほとんどソラで言えるほどの大ファンの私。学生時代よく夜な夜なやってきては、ロケ地を訪れたりしていたものだ。
 尾道駅前は、キレイな商業ビルができていて、昔から比べるとかなり変わっていたが、その他はあまり変わっていなかった。
尾道駅前。
中央商店街。「さびしんぼう」の福引のシーンで使われた。 駅前からも向島のロケセットが見える。
 
 
 福本渡船
尾道‐向島を結ぶ福本渡船乗り場。  ロケセットのある向島に渡るには、いくつかある渡船尾道大橋(自二50円・原付10円)があるが、旅の風情があるのはやはり渡船。福本渡船はクルマやバイクも乗船可能で、ウソ!っていうほど低料金(バイク60円+人20円)。ロケセットへのアクセスも良い。
 また映画「さびしんぼう」で、冨田靖子扮する橘百合子が自転車通学するシーンにも使われており、是非とも乗ってみたかった。

渡船内では昨日大和ミュージアムで出会った人に偶然再会。 あっという間の船旅だ。
 船は約10分間隔で往復しており、すぐやってくる。船が桟橋に近づき、接岸。前方のはしけが下がり、車や自転車などが下りてくる。
 全部降りたところで乗船だ。バイクや自転車は一番前の方に止め、ほどなく出航。

 渡船内では昨日大和ミュージアムや歴史の見える丘で出会った名古屋の方に、偶然再会。ダボジー横のランクル後部にオフ車を積載しており、主な移動は車、観光巡りはバイクというスタイルで回っておられるそうだ。

向島側の乗り場。
 
 
 サプライズ・ミーティングU
 向島に着き、細い道を抜けて大和ロケセットのある日立造船向島西工場へ。駐車場は車は200円取られるが、バイクは無料だ。ラッキー!
 バイク置き場にダボジーを停め、ヘルメットを脱ぐと、一人の男性が近づいてきた。

 『無事来ましたね。』
 (えっ!もしかして・・・)
 「も、もとさんですか?」
 『はい!』

大和ロケセットのある日立造船向島工場。
もとさんにお会いすることができた。

 ビックリ!

 今日来られるとは聞いていなかったのに、もとさんは夜勤明けにもかかわらず、私に会うべくわざわざ福山から来て下さったのだ。
 しかもロータスさん同様、お手製の尾道名所MAPまで作ってきて下さった。

 またまた、超〜、感激!である。

 ネットで知り合った人とこうして実際にお会いできるなんて、本当にウレシイ。
 しばしもとさんとツーリング談議を楽しむ。

 ポツリポツリと雨が落ち始めてきたので、見学へ向かうことにし、もとさんとお別れする。

 もとさん、来てくださって本当にありがとうございました。
 
 
 シャトルバス
 駐車場からロケセットまではかなり距離があり、危険防止のためもあり、無料シャトルバスに乗って行くことになる。
 平日の早朝ということもあり、車内はそれほど混雑していなかった。

 造船所の構内は本当に広い。高度成長期には大勢の工員で賑わったであろうこの工場も、今は人影もなく、すっかりさびれていた。

無料のシャトルバス。
造船所構内 廃墟のような雰囲気。
 
 
 大和ロケセットT
艦首部をバックに記念撮影。  シャトルバスを降りると、大勢の職員が「こちらです」と誘導してきた。お金は何処で払うのだろう?と思うまま、案内されたのは、ロケセットの先端部
 『こちらに立って下さい。写真を撮りますから』
 『デジカメ、携帯をお持ちの方は撮って差し上げますよ』
 大きな菊の御紋の付いた艦首をバックに撮影してもらう。

金箔が貼られた直径1.5mの菊華紋章(十六葉八重表菊形)。
 どうやら、観光地にありがちな勝手に記念撮影をして、気に入ったら写真を買って貰う商売のようだ。バスを降りてすぐ入口に向かわせると、写真を撮り漏らすので、まずここに誘導して全員撮影してから中に入れるのだろう。

 入口で入場料(500円)を支払い中へ入ると、もう写真が出来上がっていた。
 係の女性は、『どうぞ、じっくりご覧になって下さい。』と熱心に勧めてきたが、チラっとひと目見るだけで、やり過ごす。

セットが見えてきた。
 
 
 大和ロケセットU
第一副砲(15.5センチ三連装砲塔)
艦橋部分は15mまでしかなく、残りは映画ではCGで再現された。  スロープを登ってセットに上がると、本当に
 デカい!
 それもそのはず。全長263m、最大幅38.9m、満載重量72,800t、排水量59,100t。不沈戦艦と謳われた大和を原寸大で再現してあるのだ。
 もっともロケセットでは、艦首から190mまでの部分が再現されていて、艦橋部は途中までしかない。このセットの製作費はなんと、6億円だそうだ!
大和甲板。「大和坂」と呼ばれた緩やかな勾配がある。 第2主砲(45口径46センチ三連装砲塔)
 やはり一番目を引くのが、当時として最大の45口径46センチ三連装主砲。最大射程42,000mを誇り、一撃で敵艦船を撃破する力を持っていた。とてもセットとは思えないほど精巧に復元されている。
 杉板(実物は台湾ヒノキ)張りの甲板は平坦かと思っていたが、波形の緩やかな勾配がついている。これは大和坂と呼ばれ、主砲の仰角を取り易くするためだ。
 
 
 大和ロケセットV
 続いて、映画の中で中村獅童扮する内田二等兵曹が担当していた96式25ミリ3連装機銃へ。
 最大射程7,500m、最大射高5,250m、1秒間に4発を発射するこの機銃には、砲台長1名、給薬手3名、装填手3名、旋回・俯仰手各1名の計9名が必要だった。
 防御らしい防御がない中、迫り来る米軍機に向かって、勇敢に戦った男たちを思うと胸が詰まる。

96式25ミリ3連装機銃。
発射するには砲台長1名、給薬手3名、装填手3名、旋回・俯仰手各1名の計9名が必要。 8m測距儀と40口径89式12.7センチ高角砲。
セットの裏側はH鋼がギッシリと組まれ、工事現場のようだった。  実物の鉄板部分は、セットでは重量の関係があり、ベニアFRPといった素材がメインだが、塗装で遜色ない出来栄えだった。しかしセットの端っこから裏側を覗くと、H鋼を組んであり工事現場のようだった。

 それにしても、こんなに精巧なセットを壊してしまうなんてもったいない。恐らく敷地賃借や露天という保存上の問題などがあるのだろうが、地域振興・観光の観点から、もう少し残すことはできないものだろうか?

 
 
 大和ロケセットW
ロケセット横にあるドッグ。  ロケセット見学の後は、展示ルーム圭ちゃん食堂へ。圭ちゃん食堂は映画の撮影中に役者やスタッフたちの食堂になったところだ。展示ルームにはパネル写真や映画で使われたロケセットが展示してある。
 なかでも反町隆史扮する森脇二等兵曹が働いていた烹炊所(ほうすいじょ)や兵員のハンモック寝床などのセットは、映画の感動が蘇ってくる。

いつの時代にも、似た様なポスターがあったんだ。 お土産ショップには大和ラムネや海軍カレーなどが売られていた。
 お土産ショップでは、大和ミュージアム同様、大和や海軍関連のグッズを販売していた。大和のプラモデルは欲しかったが、バイクだと積載が厳しく断念。
 また圭ちゃん食堂では、メニューに司令長官殿のホット珈琲とか高級参謀殿のアイス珈琲下士官兵のホットレモンなど凝ったコピーがついていた。味は普通のものと変わらないと思うが・・・(笑)

大和のプラモデルも売っていた。

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