テラめし倶楽部 |
■バトル407 | 観戦者 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「為右ェ門そば横綱」 | 2010.5.23・対戦 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
信州そば処 ふるさとの草笛(長野県東御市) | 2,500円 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
GWに予定外の出費があったので、しばらくは遠征を控え、大人しくしていたのだが、掲示板にJACKさんから寄せられたテラめし情報にずっと心が惹かれていた。 そのテラめしとは・・・
長野県東御(とうみ)市にある信州そば処 ふるさとの草笛にあるデカ盛り蕎麦のことらしい。早速お店のHPで詳細を確認。写真に加え、マスコミに取り上げられた際の動画もあり、かなりの難敵ぶりがよく分かる。 また店名から推測するに、既にテラめし情報投稿で情報をいただいている佐久の草笛(未対戦)など草笛系のお店のようだ。 為右ェ門そばの名の由来は、江戸中期に活躍した力士雷電為右ェ門(1767〜1825)が、同市出身だからとのこと。 雷電といえば、身長6尺5寸(約197cm)、体重46貫(約172kg)という江戸時代にあってはとてつもなく大きな力士であり、喫した黒星は僅かに10、勝率は9割6分2厘という脅威の戦績を残したとされ、大相撲史上最強の力士とも称される。
そんな雷電為右ェ門の名を冠したデカ盛り蕎麦。相手にとって不足はないどころか、かつてないハードバウトが充分予想される。 ただ問題は、場所の遠さ。長野県東部の東御市はもう少し行くと軽井沢で、福井からだと片道400q以上。往復すると800q超もあり、シタミチでの日帰りは厳しく、高速でもかなりの長旅となる。 ダボジーで出かけたかったが、天候が下り坂だったことと、片道1000円のETC休日割引を利用すべく、今回はマーチをチョイス。 なおある御仁も1週間ほど前に、ETC休日割引を利用して高速をバイクで爆走。1日で2000q走られたそうだ(呆) 開店時刻の11時に到着すべく、早朝6時に自宅を出発。5月に入ったというのに、急に寒くなったり、雨が続いたりと不安定な天気。どうやら太平洋高気圧の動きが悪い影響らしいが、この日も風がとても強く、SAで出会った千葉ナンバーのZZ-R1100のライダーは、横風に煽られて大変だったそうだ。 10時半、東御市の東部湯の丸ICに到着。トイレ休憩がてら、併設の東部湯の丸SAに立寄る。用を済ませマーチに戻ろうとするが、第6感に何かを感じる。 (ナニかが俺を呼んでいるような・・・) 売店コーナー奥のレストランの方に進んでいくと、
(お〜、コレは!!) 私を呼んでいたのは、やはりテラめしだった!なんでこんな嗅覚はスルドいんだろう?(笑) チャレンジつけ麺なるこのテラめし。デフォの5人前で、重さにして約1.5kgあるシロモノで、制限時間30分以内で完食した場合、無料になる。(完食できない場合は2,500円) 1.5kgを30分というハードルは、どちらかというと無難なレベル。これなら私もおそらくクリアできそう。しかし、今ここでこれに挑戦してしまうと、その後の為右ェ門そばへの対戦への影響が充分考えられる。 ただこの企画の開催期間は5月31日まで。遠方のため、今回を逃すと挑戦する機会がなくなるのは確実。 (どうしよう・・・) 悩んだ末、当初通り為右ェ門そばへの対戦を優先。もし対戦後に余力があれば、もう1度寄ってみようかな? 11時、信州そば処 ふるさとの草笛に到着。看板脇にある巨大なステンレス製の蜂のオブジェには少々驚いたが・・・ 駐車場は結構広く、30台近くは優に停められそう。開店直後ということもあり、他の車はなく、どうやら私が一番乗りのようだ。 入口の暖簾には、以前京都の龍安寺で見た知足の蹲踞(つくばい)の文字。銅銭型の中に、「五」、「隹」、「止」、「矢」が書かれてある。これに真ん中の穴を「□」に見立てて、時計周りに「吾」、「唯」、「足」、「知」となり、”吾唯足知”(われただたるをしる)と読む。 店内に入ると、やはり先客の姿はなし。店内は思った以上に広く、カウンター席、テーブル席のほか、掘りこたつ席や大きな座敷席など100人以上は優に入れそう。 テーブル席に案内され、早速お目当ての為右ェ門そば横綱を探す。 (え〜っと、あった!これだ。) 壁のメニュー表に、為右ェ門そばのお品書きを発見。
為右ェ門そばは全部で4段階。序の口、小結、大関、横綱とあり、序の口は3歳以下のお子様用。またその下には、
と書かれた注意書き。どうやら興味本位で注文されるお客が多いようだ。 『何しましょうか?』 「為右ェ門そば横綱をお願いします!」 『かなりの量がありますがよろしいですか?』 「はい、お願いします!」 『かしこまりました。それではコチラにどうぞ!』 (へっ?) 案内されたのはお店中央のカウンター席。店員さんが言うには、為右ェ門そば横綱に挑戦する場合、目立つこの場所での挑戦が義務付けられているそうだ。せっかく目立たないように、隅っこの席が良かったのに・・・(汗) カウンター席の目の前は、大きなガラス張りになっており、中では職人さんが蕎麦打ちを実演中。上には曙関、貴乃花関といった往年の名力士たちの手形が押された色紙が飾られている。 ふとガラスの右端を見ると、為右ェ門そば横綱の完食者たちが掲示されている。 これまで横綱の完食者は全部で6名。その全員が3年前(平成19年)の達成で、それ以降は1人も成功者がいないようだ。よほどハードなのだろうか?それとも近年ボリュームが一段と増えているのだろうか? 中でも驚いたのが、赤い薔薇が付いた3番目の完食者。なんと19分で完食されたそうだ。 私が驚いたという理由とは、この為右ェ門そば横綱、事前に集めたメタ情報では、麺だけでも3kg(茹で上がり)、トッピングも併せると、4kg超という重量。 麺3kgといえば、以前対戦した練馬梅もと(※現在は麺屋じんべぇに改称)のつけ麺ブラックホールとほぼ同じ。この時は30分で完食を果たしたが、つけ麺と蕎麦という違いはあるものの、トッピングも含めて19分というタイムはいかに凄いかお分かりだろう。 ポツポツと他のお客が入り始めだした頃、丼と皿、それにそばつゆが入った小徳利が3つ運ばれてきた。どうやらこの丼が蕎麦猪口らしく、徳利も3つあることからも、いかにボリュームがあるのか容易に想像できる。 そして、呼び出しの声がかかる。
ぶっ! 大きな巨体を揺らしながら、為右ェ門そば横綱が土俵入りとなる。蕎麦とトッピングだけで4kg超。器も入れると5kgは優に超えるシロモノ。店員さんも腕をぷるぷる震わせながら運んできた。 ちょうど同じカウンター席に座られた年配のご夫婦も、『本当にソレ食べるの?!』と目がテン状態。なおこのご夫婦も、私の横綱に触発されたのか、お二人で為右ェ門そば大関(麺1kg)を注文されていた(笑)
立行司からチャレンジの諸注意が言い渡される。そして何故か傍らには、ストップウォッチ。時間制限はないが、完食タイムを計測するためだそうだ。 「それではよろしいでしょうか?」
観客注視の中、バトル開始! まずは対戦相手の状況を確認しながら分析。表面には山菜、ワカメが鬼のようにのっており、蕎麦の姿は全く見えない。そして何故か蕎麦の具としては珍しいチャーシューが4枚。結構大きくて、厚さもある。また頂上部には味変用のためか、とろろ、杏、胡桃味噌ものせられている。 一番目を引くのは、大銀杏をあしらったと思われる大きな扇状の天ぷら。どうやら蕎麦を束ねて揚げ、衣を散らしたようだ。結構固そうで、急いで食べると口の中が痛そう。 これで全部かと思いきや、しっかりその後ろにはこれまた大きなかき揚げと大量の大根おろし・ネギが隠れていた。どうやらこの店のオールスターが勢揃いしているようだ(汗) まずは食べ易くするため、皿の上にトッピングの一部を移動。ようやく山肌が見えてきた。丼に1本目のそばつゆを注ぐ。 蕎麦は所謂更科系と呼ばれる玄そば(そばの実)の中心にある粒子の細かいさらしな粉を使ってあり、白っぽい色をしている。また麺自体は平べったく、茹で方はかなり柔らかめ。 またそばつゆは、かえしが効いたかなり濃厚な味で、個人的には好みなのだが、これだけの量になるとこの濃厚な塩分のせいで、飲む水の量が増えそうな心配もある。 トッピングは後回しとし、取りあえずひたすら蕎麦を食べ進む。ただすり鉢にギュウギュウに詰められているようで、蕎麦をたぐろうとするが、なかなか思うようにたぐれない。 「頑張ってくださいね!」 時折店員さんが、声をかけてくれる。
開始から20分経過。ようやく蕎麦の半分を食べた辺りから急激に箸が鈍り出す。既に1.5kg近い蕎麦が胃袋に収まったこともあるが、それ以上に私を苦しめたのが視覚的な要因。 ぎゅうぎゅうに圧迫された蕎麦は、箸でほぐすと容積が倍増。食べても食べてもなかなか減った感じがしない。苦しい後半戦において、少しずつでも量が減っていくことは、今にも途切れそうなモチベーションを繋ぎ留める微かな希望でもあるのだが、それが感じられない対戦の場合、無限地獄の闇が降り注いでくる。 また私の不安を煽ったのが、そばつゆの残量。前述したように最初小徳利が3つ付いてくるのだが、思った以上に使ってしまい、既に2本近くを費消。残りの蕎麦の量から推測すると、これまでのペースでは明らかにそばつゆが枯渇する。 さりげなく行司(店員さん)に尋ねると、そばつゆの追加は有料とのこと。そばつゆの量をセーブしながら食べ進めていくのだが、少量のそばつゆでは一層喉を通りにくい。
次第に入店する客が増え始め、その客たちが席につく際に、私の後ろを通り過ぎていくのだが、必ずと言っていいほど、『ナニあれ〜!』、『これ、テレビの取材?』というような驚嘆の声を上げていく。背中越しに聞こえる声援?を胸に、黙々と食べ進む私。 (ほとんど見世物状態だな、俺?!) 途中から味変で戦況を打開しようと、大根おろしや杏などを投入。大根の辛みや杏の甘さがアクセントになり、瞬間的には箸が進むのだが、次第に水なしでは喉を通らなくなってきた。 開始から既に50分が経過。ようやく残り1/3を切ったところまで減らしたのだが、もうイヤイヤうさぎの顔が頭の中から離れなくなっていた。 この頃になると蕎麦は完全に伸びており、口の中に入れても喉を通るどころか、くちゃくちゃと咀嚼回数が増えるだけ。また気付いてみれば店内はほぼ満席。入口付近には席待ちをする姿も見受けられる。 このまま粘れば、もしかすると完食できるかもしれないが、まだ30分以上はかかりそうで、お店に迷惑がかけかねない。さらに再び高速を400q以上走らないといけないので、熟慮の末、ちょうど60分が経過したところで箸を置く。 「すみません。残してしまいまして・・・」 『残念でしたね。また挑戦して下さいね。』 ”吾唯足知”どころか、充分に足り過ぎたことを勉強させてもらいました。もっと修行を積んで、機会があればリベンジしたいと思います。 『あれ、チャレンジつけ麺は?』 しばらく麺は見たくありません(笑) |
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お店DATA | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「信州そば処 ふるさとの草笛」 長野県東御市加沢435-1 0268-63-1888 営業時間/11:00〜15:00 17:30〜20:00※夜の部は土日祝のみ 定休日/不定休 駐車場/あり 公式HP/ http://kusabue.jp/ ※営業時間・定休日は変更されている場合があります。 |