2005.秋 信州ツーリング(2005.10.18〜10.19)

 2日目:草津良いとこ一度はおいで〜♪
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 2005年10月19日(水) 晴れ時々曇り一時雨
 霧の朝
朝飯は昨日の残り物で作ったきつね・肉うどん。 寒い時は麺類に限る!
 標高1200m近い高原のせいか、夜中は結構冷える。銀マットを持ってこなかったせいか、地面の冷気が身体に突き刺さり、そのあまりの寒さに3回ほど目が覚める。
 7時になり起き出すと、辺りは一面の霧。昨日は暗闇であまり解らなかったが、林間サイトに芝生の生えたキレイなキャンプ場である。
 霧が晴れるのを待つ間、昨日の残り物の材料で、きつね・肉うどんを作る。寒い時は暖かい麺類に限る。
 どうやらキャンプ場の向かいは、マレットゴルフ場になっているらしく、近くのお年寄りたちがポツポツと現れ始める。
 霧はなかなか晴れず、時刻も9時近くとなったので、撤収して出発することに。結局管理員らしき人は現れず、利用料(840円)は払わずじまいになってしまった。

一晩軒先をお借りさせていただいた、松原湖高原オートキャンプ場の管理棟。
霧が一面に立ち込めていた。 当然私以外には誰もいない。 林間の中のキレイなテントサイト。 前方はマレットゴルフ場になっていた。
 霧の中進むヘルメットの中、財津和夫♪WAKE UP♪を口ずさむ。
 ♪朝もや煙った駅のホーム〜 じっと見送る年老いた人。 動き出した汽車の窓に向かいその人は、娘に初めてお辞儀をした〜♪

 私は時々ヘルメットの中で、一人カラオケをしながら走ることが多い。対向するライダーの方、口パクしている私を見かけても、暖かい目で見てくださいね。(笑)
 
 
 松原湖

 キャンプ場から少し下ったところにある松原湖へ立ち寄るが、取り立てて何もないので、そそくさと後にする。
 R141沿いの気温計は10℃を表示。どうりで寒かった訳だ。アンノン族(←古っ!)の聖地、清里へ寄ろうかとも思ったが、志賀高原にも行きたいので、今回はパスする。
 佐久市を抜け、R18沿いの追分付近でお客様から電話が入り、しばし仕事の打合せとなる。

どちらかというと湖というより池のような松原湖。
 
 
 R146
軽井沢と言えばテニスコート。
 軽井沢町の中軽井沢に差し掛かる。軽井沢は高校の修学旅行以来の訪問になる。
 紅葉はまだ始まったばかりか、木々の色づきはイマイチだったが、高原にも確実に秋の訪れを感じる。
 秋の高原と言えば、私の世代のアイドル、松田聖子♪風立ちぬ♪が脳裏に浮かび、思わず口ずさんでいた。
 ♪風立ちぬ〜 今は秋。 今日から私は〜 心の旅人〜♪
R146沿いは紅葉が始まったばかり。 木漏れ日の木立を快走。
 
 
 鬼押ハイウェイ(浅間白根火山ルート)
鬼押ハイウェイ。

 浅間峠(1,406m)から有料道路の鬼押ハイウェイ(400円)に入る。草津方面には無料のR146を行くルートもあるが、今回はフンパツしてこちらを利用した。領収書を見て判ったが、この道、コクドが管理する私道みたいだ。恐るべし!堤一族
 走ってみて大正解!幅の広い直線路が続き、林間、草原と景色を変えながら快走が楽しめる。ほんとイイー気持ち。この頃は故沖田浩之♪E気持♪を口ずさんでいた。
 ♪A・B・C A・B・C はぁ〜ん E気持〜♪

滑走路のようなストレートが気持ちイイー! 浅間山は雲で隠れて、山頂は見えなかった。
 
 
 鬼押出し
鬼押出し園。駐車場は無料。
 11時、鬼押出し園に到着。1783年(天明3年)の浅間山の大噴火に伴い、北山麓に幅7キロ、長さ8キロ、約2億立方m(東京ドーム161杯分)の溶岩が流出してできた。イタリアのベスビオ火山、鹿児島の桜島と並んで世界3大奇勝とされる。

 内部に入るには入場料600円が必要だが、こちらも修学旅行で来た事があるので、無料駐車場からの見学だけで済ます。

両輝石安山岩からなる溶岩は、国の特別天然記念物にも指定されている。 入場しなくてもある程度見える。 ここから先は入場料が必要。
売店で売っていたおもちゃ。子供なら絶対買ってー!というかも。 店のおじさんが客寄せにシャボン玉をしていた。
 
 
 草津温泉T

 12時草津温泉に到着。是非一度来たかった温泉だ。国道から案内看板に従い、湯畑に向かう。街のあちこちから硫黄の臭いがプンプンしてくる。
 平日にもかかわらず、湯畑には多くの観光客がいた。
草津温泉湯畑 湯畑の周りにはお土産屋や旅館などが建ち並ぶ。
湯の華を作っている。 源泉が湧き出し口には、硫黄がビッシリ。 湯畑の脇にある足湯。 湯畑の北側は湯の滝になっている。
草津温泉に訪れた数多くの著名人の名が、石柱に刻まれている。 草津名物ゆもみと踊りを見ることができる熱の湯。 残念ながら公演時間が合わず、見れなかった。
ご先祖様(ウソ)もいらしたみたいだ。 日本武尊や行基といった歴史上の人物も訪れている。

 草津名物のゆもみ踊りを見せる熱の湯は、朝7時台に2回、15時以降に4回の公演となっており、さすがに15時まで待つ訳にもいかず、残念ながらパス。
 
 
 草津温泉U
湯畑横にある白旗乃湯(無料)
 今日は肌寒いので湯畑の横にある白旗乃湯に入って温まることにする。名前の由来は源頼朝が1193年(建久4年)に浅間山麓に訪れた際に偶然見つけたとされ、当初は御座乃湯と称されていたが、明治になって源氏の白旗に因んで、改称されたそうだ。
 入湯は無料で、男女別で朝5時から夜11時まで。草津温泉には他にもいくつかの外湯がある。

内部は総檜張り。お湯はもともと透明だが、空気に触れて白濁してくる。

 内部は天井・壁・床・浴槽とも総檜造りで、2つの浴槽がある。どちらも同じお湯らしいが、1つは白濁している。どちらも熱めで、特に透明のお湯の方は45度近くありそうで、足を入れているだけで熱いというより痛い。
 酸性の含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉で、銀製品など付けて入浴すると黒変してしまうそうだ。
 久々に「これぞ温泉!」という温泉に入った感じで大満足。
浴槽は2つあり、こちらの方が熱く45度ぐらいはありそう。
 
 
 草津温泉V

 温泉で暖まった後、同じく湯畑横の本家ちちやで、おんせんまんじゅうをお土産に購入。お土産のほかバラ売りもしていたので、白と茶を1個ずつ買い、ベンチでいただく。
 白(90円)はこしあん、茶(70円)はつぶあんで、私的には茶の方が好みの味だった。

 また近くの店で温泉たまご(105円)もいただくが、こちらはスーパーで売っているものとたいして味が変わらず、チョッとボッタクリの感がした。

 この日の昼食は珍しく?これだけだった。

 白旗湯で一緒になった方から聞いた西の河原(さいのかわら)の露天風呂に寄ろうとも考えたが、混雑していたのでパス。
本家ちちや 湯畑の周りにはベンチがあるので、そこで一服。
つぶあんの茶(70円)とこしあんの白(90円)
 
 
 志賀草津道路(R292)
標高が上がるにつれ、紅葉がはっきりしてくる。 志賀草津道路、サイコー!
殺生河原は荒涼とした風景が広がる。
 13時草津温泉を後にし、志賀草津道路R292)へ。麓近くは紅葉が盛りで、上っていくにつれ彩りが鮮やかになってくる。
 ヘアピンカーブが続き勾配もきつくなり、景色が低木や潅木に変わり始めた。
 殺生河原付近では草木もほとんどなく、灰色の荒涼感漂う風景が広がる。硫黄の臭いがすごく、道路脇には有毒ガス危険!駐停車禁止!の看板。走りながら写真を撮り、そうそうに立ち去る。

 
 
 白根山
 13時半、白根山に到着。もやが立ち込めていて山頂付近は見えない。先を急ぐので道路から写真だけで済まそうとしていると、観光客の女性が、「湯釜良かったよ!すぐだから行った方がイイよ。」と声をかけてきた。

道路脇からの見学で済まそうとしていたが・・・ 着いた頃はもやが立ち込めていて、山頂はおろか山肌も見えなかった。
白根山駐車場にある看板。
 どうやら火口の湯釜までは、遊歩道を登って10分ほどらしいので、行ってみることにした。
 比較的緩やかな舗装された道だが、デブには堪える。気温はかなり低いはずだが、一気に汗が噴き出してくる。
 息を切らせながらようやく湯釜に到着。若干霧も晴れてきて、眼前にエメラルドグリーンの火口が広がる。その鮮やかな色に、やっぱり登ってきて良かったと改めて実感する。

 
重い身体を引きずりながら、湯釜に到着。
 
 
 日本国道最高地点
日本国道最高地点
渋峠の標識 渋峠ヒュッテ
 白根山を後にし進んでいくと、日本国道最高地点の標識を発見!駐車場が狭く、石の記念碑があるだけだが、多くの観光客で賑わっていた。晴れていれば雄大なパノラマが広がるはずだが、あいにくの霧で下界はほとんど見えず残念。
 ちなみに車で行ける最高地点は岐阜・長野県境の乗鞍スカイラインの畳平だが、あちらは県道でしかも今はマイカー規制されてしまった。

 この道は冬期は積雪のため閉鎖される。直線2qの志賀−万座間が菅平まで迂回せざるを得ないため、5時間もかかる。
 そう、私が大好きな映画「私をスキーに連れてって」で原田知世ちゃんがサロット一式を届けるため、志賀高原から万座温泉に向かうため通ったコースだ。

日本最高所のガソリンスタンド。
 群馬・長野県境の渋峠には、驚くべきことにガソリンスタンドがあった。間違いなく日本最高地点にあるGSであろう。
 気温は5℃以下だろうか、吐く息が白くもう冬の訪れが近いのがわかる。寒さを紛らわすには歌うしかない。
 ♪ブリザード〜、ブリザード〜 包め世界を〜♪
 イケナイ、余計に寒くなってきた。(笑)
 
 
 志賀高原
横手山スキー場。
 長野県側の志賀高原はすっかり晩秋の雰囲気。あと1ヶ月もすると一面の銀世界に変わるのだろう。
 ここには横手山、丸池、発哺、一ノ瀬、焼額山など日本一の規模を誇る志賀高原スキー場群があり、スキーブームの頃はよく訪れたが、雪のない時期は初めてである。

 ♪ゲレンデのカフェテラスで、滑る貴方にくぎづけ〜、派手なターンで転んで煙が舞い立つ〜♪


 丸池付近まで降りてくると、幾分暖かく感じる。
 しかし道路脇の気温計の表示は5℃。標高差を考えると渋峠付近は2℃ぐらいだったみたいだ。

 志賀高原には丸池をはじめ、長池、琵琶池といった火山活動でできた湖沼が多い。丸池は紅葉に包まれていて、多くの観光客が思い思いにカメラに風景を収めていた。

火口に水が溜まってできたされる丸池。
 
 
 日本一周ライダーとの出会い

 山之内町の道の駅”北信州やまのうち”に着いたのは15時20分。
 まだ昼食を食べておらず、食事を取ろうとしたがあいにくレストランは定休日で休業中。長門町の利休庵にも寄りたかったが、ここから100q近くあり、今から向かっても着くのは日も暮れた後なので、断腸の思いで諦める。
 道の駅からは富士山のようなコニーデ型をしている高社山(高井富士)が望めた。

道の駅”北信州やまのうち”
チーム過積載に入れそうなジュベル。子供に「どうしてバイクにゴミを積んでいるの?」と聞かれた時は、思わず苦笑したそうだ。そりゃそう見えても仕方ない。  トランクボックスの上に荷物をいっぱい積載したジュベルを発見!
 よ〜く見ると、ボックスにベタベタとステッカーが貼ってある。もしかして日本一周ライダー?と思い、こちらから声をかけてみる。

 やはり日本一周ライダーで、彼は浜松出身の松本君。後部に取り付けられたトランクボックスには、日本各地の観光地や名所のステッカーが南は与那国島、北は宗谷岬まで所狭しと無数に貼られていた。
 
ボックス側部(左)。沖縄の与那国島や波照間島などがあった。 ボックス後部。主に北海道のものが多い。
ボックス側部(右)。これでも全部ではなく、未使用のものが100枚以上あるそうだ。 ボックス前部。鳥海山、月山といった東北方面。

 彼は当初渋峠を越えて草津側で宿泊を考えていたそうだが、峠付近の気温を伝えると、日没時刻も近づいているので、今晩はこの道の駅で野宿するそうだ。お決まりのように
 「もうどのぐらい旅しているの?」とたずねると
 『そうですね。2年半ぐらいですかね。』

 「えっ、2年半?!」

 なんと、彼は2年以上も日本一周を続けているらしく、1つの県に2週間から1ヵ月近く滞在して廻ってきたそうだ。もっとも1度も自宅に戻らずということではないそうで、友人の結婚式などで何回か戻られているが、その内容を聴いて唖然!
 なんでも鹿児島のバイク屋にジュベルを預け、浜松の自宅までヒッチハイクで27台乗り継ぎながら帰宅し、式に出席した後も再びヒッチハイクで鹿児島に戻ったとのこと。まさに進め電波少年みたいな世界である。

 北海道が一番滞在していたらしく、1年ぐらい沈没していたとのこと。その後東北・北陸・近畿・中国・四国・九州・沖縄と廻り、最後この中部・関東地方を回って終わりだそうだ。離島も寄っていないのは、壱岐・対馬・五島列島・隠岐ぐらいで、数多くの島々を巡ってきたらしい。
 わが福井県にも既に寄られたそうで、3週間ほど滞在したとのこと。さすが福井県を3週間かけて廻られたせいか、県民でもあまり知らないマイナーなところまで行かれており、頭が下がる。

 同じ日本一周したライダーとして話が盛り上がる。しかし私はたった2ヶ月ほどの分割日本一周で、沖縄など行っていない県もあり、彼と比較するとほんとお遊び程度の小旅行に思えてしまう。ただ脱帽するばかりだ。

日本一周中のライダー、松本君。トランクから飛び出しているのは、自作の三線(さんしん)。

 下世話な話だが、費用を聞いてみると、もう既に200万円以上は使っているらしい。1日2000円しか使わなくても1ヶ月で6万、1年で72万もかかる。宿泊はテントでの野宿が主で、ガソリン代・食費の他、観光費用が結構かかってしまうそうだ。
 そんな大金どうしたの?とたずねると、絶対日本一周したかったらしく、高校卒業後仕事をしながら約3年で旅行費用を貯めたそうだ。まだ20代半ばらしいが、しっかりと計画を立てて夢を実現する姿にとても感動した。

 話が盛り上がったせいか、気付くともう16時20分。なんと1時間も話し込んでしまった。
 
 
 幸運?のトンネル

 社会実験実施中(250円→100円)の志賀中野道路を使い、上信越自動車道信州中野ICに向かうが、なんと事故のためIC入口が閉鎖中
 仕方なくR18に迂回して北上する。17時を回り、日も暮れて気温も下がってきたが、昨日と比べるとまだマシな方だ。
 駄目もとで野尻湖近くの信濃町ICに寄ってみると、事故処理が終わり通行止規制が解除されていたので、高速を利用する。

日もすっかり暮れた妙高SA。
舞茸てんぷらそばにきのこごはんの付いた”きのこそばセット(780円)”。
 暖を取るのとエネルギー補給のため、妙高SAきのこそばセット(780円)を注文。この地の名産らしいまいたけの天ぷらが入ったそばときのこごはんで、今日初めてのまともな食事だが、防寒には炭水化物を摂取するに限る。


 上越市に入ると、前方になにやら怪しげな光。どうやらが鳴っているみたいだ。そのうちフェイスに水滴が付き始め、雨が降り出した。
 最初は小雨だった雨も、上越JCTを過ぎ北陸道に入った辺りから、本降りになってきた。たまらずガード下の路肩に停車し、カッパを装着。
 雨足は衰えることはなく、ますますひどくなる一方だったが、幸運?なこと上越JCTから富山県の朝日ICまでの約60qの区間は長短20本以上のトンネルがあり、ほとんどトンネルを走るといっても過言ではない。このため雨の影響も少なく、しかもトンネル内は気温が高いせいか、寒さもあまり気にならず快適に走行することができた。

”ラーメンうえだ”のとりがら醤油ラーメン。夜しかやっておらず、一度来てみたかった。あっさりした味でグッド!  富山県に入ると雨は止んでおり、また気温も14℃と暖かかった。小矢部川SAで給油を済ませ、再び自宅を目指す。追い風だったせいもあり、比較的スムーズに走行。時速1●0q(ピーッ)以上でかっ飛ばす。頭の中ではネバーエンディングストーリー♪バスチアンの飛行♪が流れていた。

 21時丸岡ICで高速を降り、2度目の夕食を取った後、10時無事に自宅に到着した。

この日の走行距離:485q

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