温泉シールラリー・飛騨編

 平成18年1月17日(火) 曇り一時雪

 いざ飛騨へ
 今回火・水と連休なので、先週に引き続き温泉シールラリーチャレンジのため、愛車マーチで岐阜県に向かう。
 連休ということもあり、日帰りでなく1泊することにし、日帰りでは強行軍となる飛騨・南飛騨方面の温泉を集中して回ることにした。
 ここのところの天気や雨のせいで、路面の雪はほとんど消えていたが、大野市の九頭竜渓谷では、溶けた雪が路面で凍るブラックアイスバーン状態。慎重に走ろう!
ブラックアイスバーン状態の路面。

 祝! 11万キロメートル
購入から4年半で、11万キロを達成!まだまだ走るぞ〜!  出発時点で、マーチのオドメーターがあと100キロチョッとで11万キロになりそうだった。予測では郡上市付近だろう。
 11万キロまであと数キロとなった時点で、メーターとにらめっこしながらゆっくり進む。
 109,997、・・・・8、・・・・9、
 110,000
 10万キロを超え、あちこちガタはき始めているが、まだまだ大丈夫。目標20万キロまで走ろうぜ!

 第10湯目:明宝温泉 湯星館
 今回温泉めぐりをするにあたり、いかに効率良く、多くの温泉を回るためにルートを検討。
 高山方面に向かうには、R158をそのまま荘川経由で走るのが早い。
 しかし旧明宝村にある明宝温泉湯星館第1・3水曜日が定休日。明日は第3水曜で休みだし、水曜休みが多い私にとって、行ける日が限られてしまう。そこで少し遠回りにはなるが、郡上市八幡まで南下し、せせらぎ街道経由で湯星館に寄ることにした。

 湯星館は有料の飛騨美濃道路沿いから少し入ったところにある。郡上市側からは料金所の手前にあるため、無料で辿りつけた。
 平日の11時前ということもあって、入浴客もまばらで空いていた。
湯星館エントランス。
温泉の諸元を記載した看板。施設脇にあった温泉スタンド。100L=100円だ。
内部にあった円形の足湯。上部は吹き抜け、ガラスドームとなっており、柔らかな光が降り注いでいた。 風が冷たく、あまり長く入っていられない。
露天風呂。名前にキーワードがある人は、入浴料20%OFF。
 ここの温泉はラドンを少し含んでいるそうで、痛風動脈硬化症高血圧症など効くらしく、まさに私にピッタリ!(笑) 浴室に入った際に、プ〜ンと塩素の臭いがしてせっかくの期待が薄れてしまったのが残念。
 でも誕生日の人は入浴無料や、名前にキーワード(1月は「せい」)が含まれている人は入浴料20%OFFなど、リピート客を増やそうとする努力は充分評価できる。

 また別料金(500円)で、今流行の岩盤浴も楽しめるのだが、時間もないので先を急ぐことにした。

 残り26湯!

 ライダー丼との再会
道の駅パスカル清見。季節外れの平日のせいか、バイクはおろかクルマもほとんどいなかった。  湯星館から高山方面に向かうR472は、積雪のため冬期通行止。このため否が応でも有料道路を通るしかない。ほんとは除雪できるのに、有料道路を走らそうとする岐阜県道路公社陰謀ではないのか?と疑いたくなるが、しぶしぶ400円を支払い、飛騨の国へ突入。
 朝食も食べておらず、ブランチがてら道の駅パスカル清見に立ち寄る。
 ここには、かの有名なライダー丼があり、メニューに載っていない裏メニューとなっていて、昨年わざわざ雨の中、ダボジーで食べにきたのだ。

 レストランに入り、女性の店員に、『ライダー丼、ください!』と注文。
 店員は、「し、少々お待ちください。」と少し顔色を変えながら厨房の方に向かう。

 おそらく冬期はバイクでこんな山間部に来る輩はほとんどおらず、準備していないのだろう。

 「シェフ、ライダー丼ですって。どうします〜?」
 『ん、ライダー丼?一人か?めんどくせ〜な〜!できないと言ってくれよ。』
 「でもシェフ、なんか楽しみしてやって来たみたいですよ。」
 『う〜ん。じゃ、仕方ねぇ。作ってやることにするか!』

 この様なやりとりがあったかどうか定かではないが、シェフとの協議の末、店員が戻ってきた。

 「はい、かしこまりました。ライダー丼ですね。」 と無事オーダーが通った。

 前回はメンチカツに野菜をのせ、タルタルソースをかけたものだった。またネット仲間の時は、中華丼にメンチカツがのったものというように、日によって内容が変わるらしい。

 もしかして”ライダー丼”とは、”シェフのおすすめ”同様、余りモノ処分料理なのか?などとは決して疑わず、今回は何だろう?とワクワクしながら待つ私。

 「お待たせしました。ライダー丼です。」
前回食べたライダー丼。
今回食べたライダー丼。やはり丼に中身が違っていた。
 やってきた丼をみると、やはり前回とは全く違う。今回のは、鶏の唐揚野菜炒め風のものが乗っかっていた。
 大盛りのご飯に唐揚という組み合わせは、ボリューム満点で、もしかして私の身体に合わせてくれたのだろうか?(笑) 上にかかっている野菜炒めも、ピリッと辛さが効いていて食欲をそそる。
 店員のおねーさん、シェフ。無理を聞いていただき、ありがとうございました。
 ごちそうさまでした。美味しかったです!
 次回も楽しみにしています。
鶏の唐揚に野菜炒めがかかったライダー丼。
 道の駅でみつけたパンフで、「冬の飛騨高山ぐるりスタンプラリー」(以後「ぐるスタ」と略する。H18.2.28まで)なるものがやっているらしい。
 合併して日本一大きな市となった高山市の名所や道の駅、温泉などを回ってスタンプを集めると、スタンプの数に応じて希望のコースの抽選に応募できる。
 今回飛騨を回る予定で、重なるポイントもありそうなので、これもついでにチャレンジすることにした。

 せせらぎ街道
 お腹もふくれたことで、一路高山を目指す。分水嶺の西ウレ峠(1,120m)までは路面に雪はなく、順調に進めたが、峠を越えると一面の銀世界。路面は完全なアイスバーン状態で、下り坂のため慎重に進む。同じ場所なのに、3ヶ月前にMC鉄輪会のツーリングで訪れた際とはまるで別世界であった。

 高山に近づくにつれ、睡魔が襲ってきた。あまりの眠たさにたまらず、途中のパーキングで仮眠する。目が覚めると、1時間も眠っていた。

一面銀世界のせせらぎ街道。 3ヶ月前のせせらぎ街道。

 第11湯目:ひだまりの湯
 14時、ひだまりの湯に到着。実は到着する前に、看板が小さくて見落としてしまい、同じ場所を2周するハメになった。曲がり角にはもっと大きな看板をつけて欲しいところだ。

 駐車場がせまく、しかも裏手にありチョッと不便だ。またよくパチンコ屋で見かける発光繊維で出来た蛍光色のケバケバしい椰子の木の存在が実に変。なんで椰子の木が?ひだまりとも温泉とも全く関係のないシロモノだと思うが・・・

ひだまりの湯。場違いな椰子の造木がなんとも笑えた。
入口は1階で、受付は2階にある。奥の壁に流れているのは温泉?と思いきや水だった。  入口は1階にあり、受付は2階にある。ここでタオルとバスタオル、ムームー(福井ではこう呼ぶが)などの入ったバッグとロッカーの鍵を受け取る。(なんか健康ランドみたいだな。)どうやら浴室は1階にあるみたいだ。1階にあるんなら、最初から登らせるなー!

 ホールの壁には、温泉の成分、効能が書いてあり、ごたいそうに源泉100%かけ流しと書いてあった。また笑ったのが、ここが健康ランドと自ら称し、スーパー銭湯や日帰り温泉施設とは違うと書いてある。その違う理由が、健康ランドはそれらより大きくて、設備が充実していると説明してあった。チョッと違うのでは?と首をかしげながら浴場へ。
 内風呂には本浴槽のほか泡風呂、寝湯、歩行湯などがあり、かけ流し湯なるものもあった。しかし入ってみるとどう見ても、底からも噴出していて循環ろ過していそうな雰囲気。露天風呂も眺めは全く期待できず、イマイチだった。
 地元の人がゆっくりここで1日を費やすにはいいのかもしれないのだろうが、立ち寄り温泉客にとっては、高くて不満が残るだけだろう。そこで、3時間限定700円ぐらいの料金コースも作ってみたらどうだろうか?

 残り25湯!
近くの松倉山の天然石で作られた露天風呂。

 飛騨国府特選館あじか
R41沿い旧国府町金桶にある「飛騨国府特選館あじか」。  偶然休憩に訪れたのは、R41沿いにある高山市の飛騨国府特選館あじか。地元の農産物や特産品を販売しており、入場は無料。 ここはぐるスタのスタンプポイントでもある。
 あじかとは、竹で編まれた籠に紐を付けた飛騨地方の古民具で、腰に付けて田植えの苗や野菜、山菜などをいれたそうだ。

 おそらく国府町が道の駅指定を目指して、整備した施設なのだろう。
 でも2キロほど先に、旧古川町(現:飛騨市)の道の駅アルプ飛騨古川があり、また合併で高山市には既に8箇所の道の駅がある。いわば道の駅になりそこなった施設で、そのせいか、人気もほとんどなく、どこか暗く寂しいイメージだった。
 道の駅というブランドがないだけで、こうも影響があるのかと感じさせられた。

入口に飾られていた”あじか”。

 第12湯目:四十八滝温泉 しぶきの湯 遊湯館
 宮川を渡り県道479を宇津江川沿いに上って、四十八滝温泉 しぶきの湯 遊湯館へ。道中は道幅が狭く、その上雪の深い轍や圧雪があり、対向車とのすれ違いに気を遣う。
 この先には全国自然100選や岐阜県名水50選にも選ばれている宇津江四十八滝があり、その名の由来となっている。もっとも四十八滝といっても、48本の滝がある訳ではなく、下流の魚返滝から最上流の上平滝までの13本の滝で、伝説に出てくる”よそ八(=四十八)”という若者や仏法四十八願などから、こう呼ばれるようになったそうだ。
四十八滝温泉しぶきの湯遊湯館の外観。
和風庭園露天風呂。 吾妻造り檜風呂。
 露天風呂は庭園露天風呂吾妻造り檜風呂の2種類と、打たれ湯がある。お湯はまろやかで、湯加減もちょうどイイ感じ。

 残り24湯!

 第13湯目:飛騨古川桃源郷温泉 ぬく森の湯 すぱ〜ふる
 次に向かったのが、昨年合併して飛騨市となった旧古川町にある飛騨古川桃源郷温泉 ぬく森の湯 すぱ〜ふる。ここは明日水曜定休のため、どうしても今日中に寄らないといけない。
 途中の案内看板には、桃源郷温泉とだけ表示されていて、すぱ〜ふるという文字がないので、迷ってしまう。
 名の由来は、この地は果樹栽培が盛んで、りんごが特産。そこで温泉のスパフルーツを合成して”すぱ〜ふる”としたそうだ。

ぬく森の湯 すぱ〜ふる。周りには雪がいっぱいだった。
ホールにあった巨大な暖炉。  中に入ってまず目を引いたのが、ホールに置かれた巨大な煙突を持つ円形の暖炉。周りには椅子が置かれていて、湯上り客がTVを見ながらくつろいでいた。この周りは喫煙も可能。
 浴場内は内風呂・露天風呂とも小さく、特に露天風呂は5人も入れば満員なのが難点。
 でも露天風呂の周りは、杉木立になっており、夏場は森林浴も同時に楽しめそうだ。

 残り23湯!

円形の炉では薪が燃やされていた。炉の上にある円錐状の巨大な煙突。 洋風風呂の露天風呂。チョッと小さいのが難点。
浴室入口。週ごとに入れ替わる。露天風呂には大きなつららもあり、冷え込みの厳しさを物語っていた。

 R41〜R471
神岡、富山方面は雪が降っているらしく、空が灰色だった。  さすがに1日に4湯も入ると、湯あたり気味になってくる。しかし飛騨エリアの残り2湯を回っておきたいので、神岡経由で平湯へ向かうことにする。途中の数河(すごう)高原は氷点下3度で、路面は凍結寸前。下り坂では否が応でも慎重な運転になる。
 神岡からR471に入り、高原川沿いを進む。暖かい時期であれば、ダボジーで快走してみたい道である。ぐるスタのチェック地点であった、道の駅奥飛騨温泉郷上宝は、うっかり通り過ぎてしまい残念。

 第14湯目:ひらゆの森
 新穂高温泉へ向かう分岐を過ぎて、新平湯温泉郷に入った頃には、とっぷりと日も暮れて、路面は完全に凍結していた。
 17時30分、平湯温泉郷ひらゆの森に到着。暗闇のせいか最初行き過ぎてしまったが、R158安房トンネル入口から入ってすぐのところにあった。
 駐車場には大きな灯籠があり、幻想的な灯りを暗闇に映し出していた。

ひらゆの森。
男風呂入口。脱衣場の床も畳敷き。  武家屋敷風の造りで、内部は白壁に黒塗りの柱に加え、床はホール、廊下、脱衣場に至るまで全てが敷かれていた。

内風呂の上部は剥き出しの吹き抜けとなっている。 薄明かりが幻想的な庭園露天風呂。男湯だけで大小合わせて7つの露天風呂がある。
 大浴場のある内風呂は天井がなく、柱や梁が剥き出し。古き湯治場の趣を残した感じだ。お湯はもともと透明だが、空気に触れて白濁し乳白色を呈している。硫黄の匂いが充満していて、これぞまさに温泉!といった感じだ。
 露天風呂は暗闇ではっきりとは判らなかったが、庭園露天風呂になっており、大小7つの湯舟から、惜しげもなく源泉がかけ流しとなっている。必要以上の灯りをせず、薄明かりのもとでの入浴は至極の気分を味わえる。

 残り22湯!
至極の気分に浸っているマエダンゴ。

 マイナス10度の世界
平湯峠。 路肩の気温計は、なんとマイナス7度。
 ひらゆの森を出て、R158平湯トンネル手前の坂道にさしかかると、凍結のためかタイヤがスリップし始める。スタッドレスタイヤを履いているマーチとはいえ、凍結した急な登り坂はキツイ。
 道路脇の気温計に目をやると、なんと!気温はマイナス7度。しかしこれは序の口だった。トンネルを抜けた先はもっと寒く、気温はついにマイナス10度
 下り坂は上り以上に気を遣う。極力フットブレーキを使わぬよう、ギアを2速に固定しながらエンジンブレーキを使っての慎重な運転が続く。

 うそ〜!
 18時30分、飛騨にゅうかわ温泉宿儺の湯に到着。今日はここで最後にしようと思い、玄関先に向かうが、どうもおかしい。外の灯りがついていないのだ。でも営業中の看板は出ている。
 中に入ると、男性の人が「ご入浴ですか?」とたずねてきた。
 すると、「申し訳ありませんが、入浴は午後6時で終わりなんですが・・・」とのこと。

 『えっ、え〜!うそ〜!』

飛騨にゅうかわ温泉 宿儺の湯。
 温泉シールラリーのガイドブックには、ちゃんと午後8時までと書いてある。

 遠くからきたので、せめてシールだけでも・・・、と食い下がってもよかったのだが、そんな入浴もせずシールだけ貰うのはチャレンジ精神に反するので、しぶしぶ諦め、また明日の朝出直すことにした。

 当初の予定では、ここで入浴後車中泊しようとも考えていたが、ここは朴の木平スキー場の一画であり、標高が高いこともあり気温は間違いなくマイナス10度以上に下がるだろう。そこで少しは暖かそうな高山市内へ向かう。
 

 厳寒の空の下
 旧丹生川村のR158は、下り坂の凍結した路面が続くため、スピード控え目の運転となる。
 標高が下がるにつれ、幾分気温が上がってきたが、それでも依然として氷点下。高山市中心部にさしかかると、ようやく0度であった。
 途中見つけたスーパーで、夕食の買出しを済ませ、今夜のネグラを探す。しかし中心部だとパチンコ屋の駐車場ぐらいしかなく、人目が気になるので足を伸ばして道の駅ななもり清見に向かう。
 人目を気にしたのは、実はテント自炊用のストーブ類を持ってきており、あわよくばキャンプをしようと思っていたからである。しかし道の駅周辺の気温もマイナス5度で、さすがにこの気温でのテント泊は凍死する恐れがあるので思いとどまり、自炊だけにした。
 小雪が舞い散る暗闇の中、頭にライトをつけながら、道の駅のベンチで肉うどんを作る。
 時折トイレ休憩に立ち寄るドライバーたちが、冷やかな視線をわたしに向けてくるが、一向に気にしない。
 もしここにパトカーが立ち寄ったら、間違いなく職質をかけられただろうなー。(笑)

 寒さを紛らわすため、持参した焼酎をあおって、21時に就寝。

 南飛騨編につづく・・・

   

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