ソースカツ丼、食べねま!! |
福井名物、ソースカツ丼。それはゴハンとカツだけのシンプルな料理なのに何度食べても飽きがこない。そんな福井の”ソースカツ丼”を中心に紹介していくコーナーです。 ”食べねま”とは福井弁で、『食べないと駄目だよ!』という意味です。 |
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●ソースカツ丼とは? | |||
●ソースカツ丼の歴史 | |||
●ソースカツ丼の系統 | |||
●ソースカツ丼の仲間たち | |||
●カツ丼道 | |||
●ソースカツ丼 GO!GO! | |||
●ソースカツ丼とは? ソースカツ丼とは、文字通りドンブリに入った白いゴハンの上に、トンカツが3枚のっていて、その上からソースをかけただけのシンプルな丼です。 福井では”カツ丼”といえば、このソースカツ丼のことを指し、他県でいう卵とじのカツ丼のことは、”上カツ丼”または”玉子カツ丼”などといいます。 このため福井の食堂で「カツ丼下さい!」と注文すると、ソースカツ丼が出てきて、「注文が違うのでは・・・?」と面食らうこともありますのでご注意を。 ちなみに、管理人は子供の頃、全国でもカツ丼といえばソースカツ丼だと思っていましたが、大学・社会人と県外で暮らすことになって、初めて全国では卵とじのカツ丼が主流だということを知りました。 通常ソースカツ丼は、たいがいのレストラン・食堂のメニューにあり、特におそば屋さんには必ずといっていいほど置いてあります。また洋食屋、トンカツ屋、中華料理店などでも食べることができます。 「えっ〜、ゴハンにソースをかけるの?気持ち悪い!」と思われた方、『だまされたと思って一度ご賞味あれ!』 その美味しさを発見すること間違いなし! ゴハンはコメどころでコシヒカリ発祥の福井では、コシヒカリが当たり前。豚肉もお店によって様々な工夫で食べ易く調理。ソースも単にウスターソースをかけたものではなく、各種香辛料やフルーツなどをブレンドしてあります。特にソースは各お店でレシピが異なり、味の特徴も千差万別。 シンプルだけど奥の深いソースカツ丼なのです。 戻る |
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●ソースカツ丼の歴史 全国的にカツ丼といえば卵とじの方が一般的ですが、実はソースカツ丼の方が歴史が古いのです。 1913年(大正2年)、東京で開かれた料理発表会で、ソースカツ丼なる料理を披露したのが、「ヨーロッパ軒」の創業者高畠増太郎氏でした。高畠氏はドイツ・ベルリンの日本人倶楽部で6年の料理留学を終え、1912年(明治45年)に帰国。翌年、東京早稲田鶴巻町で「ヨーロッパ軒」を創業。その名物料理がソースカツ丼でした。 本場のウスターソースを日本に持ち帰り、アレンジしたのが始まりで、全国的にお馴染みの”卵とじ”カツ丼が考案されるよりも8年早かったといわれています。 東京で店を開いたものの1923年(大正12年)の東京大震災に遭い、郷里である福井に帰り再出発することに。それ以来ソースカツ丼は「ハイカラな西洋料理」として、福井の庶民の味として親しまれ広がっていった。 (参考:「ヨーロッパ軒」創業資料) 戻る |
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●ソースカツ丼の系統 福井のソースカツ丼の総本山といえば、何といっても「ヨーロッパ軒」(通称”パ軒”)である。創業者の高畠増太郎氏が福井に戻り、福井市片町にお店を開いた。そこで修行した人たちが、ノレン分けして福井各地にお店が拡大。それに伴いソースカツ丼が広まっていった。 このため系統的には圧倒的に「ヨーロッパ軒」系が多い。 ◆ヨーロッパ軒系 店名が「ヨーロッパ軒●●支店」、「〜▲▲分店」などのものと、店名に「ヨーロッパ軒」が付かないものがある。 お店の形態は洋食レストランで、ソースカツ丼以外にも各種ランチ・ビーフステーキ・ハンバーグ・オムライスなどのメニューがある。 他の特徴として、メニューにパリ丼(メンチカツバージョン)・エビ丼(エビカツバージョン)などがある。 カツ丼の特徴としては、 ・パン粉が超極細で、一瞬「小麦粉だけ?」と疑うほど。これは油切れを良くするためで、カリカリ感の歯ごたえ。 ・豚肉はロース肉をたたいて引き伸ばし、薄くする。肉汁とソースが上手く引き合うためであり、カツの厚みとしては薄い部類に属する。 ・カツの固さ(歯ごたえ)としては、福井のソースカツ丼の中ではかなり固い方に属する。 ・ソースの味はウスターソースをベースに各種香辛料をブレンドしてあり、甘さを抑えて酸味がやや強い。 ・全体的にはコショウの効いたスパイシーなカツ丼といえます。 ちなみにソースカツ丼のカツだけのものを、”味カツ”または”切カツ”といいます。 ◆十阡萬(じゅっせんまん)系 とんかつ専門店として老舗の部類に入る。メニューも豊富。県内に数ヶ所ある。 特徴としては、 ・豚肉をかなり薄く伸ばしていて、形状はまるで”わらじ”。 ・肉をたたいてスジを柔らかくしているせいか、歯ごたえは極めて柔らかで、箸で容易にちぎれるほど。 ・パン粉は中粒で、ソースとからまってシットリ感がある。 ・ソースはかなり甘めで、好き嫌いの分かれるところでもある。 ◆くら系 とんかつ専門店で、特徴としては十阡萬系に似ているが、管理人はこちらの方が好きである。 ・ゴハンの量は大盛りでも同じ値段。ただし大盛りはとてつもなくボリュームがあるので注意。中盛りでも他の店の大盛り以上あります。 ◆そば屋系 県内にある越前そばのチェーン店や町のおそば屋さんでは、もう一つの福井名物”おろしそば”とセットになっていることが多く、どっちも食べたいという欲張りさんにはピッタリ!カツの大きさ・肉質・パン粉・ソースなど各店で様々だが、一般的に一口カツ状のカツ丼が目立つ。 ◆独立系 お弁当屋やとんかつ屋のソースカツ丼。内容や味も千差万別で、無数にある。管理者の知らないお店の方が圧倒的多い。 ◆変り種系 ゴハンの上に千切りキャベツを盛り、その上にカツを乗せたものやカツの中にチーズを入れたもの、ケチャップ味やデミグラスソースをかけたものなどがあり、小さなお店(食堂)で多く見かける。 ※ちなみ上記の系統分類・評論は極めて私的な見解に基づくものです。今後の精進・分析に応じて変更していきますのでご了承下さい。 戻る |
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●ソースカツ丼の仲間たち 卵とじカツ丼より歴史は古いのに、カツ丼としては全国的に亜流のソースカツ丼。そんなソースカツ丼の仲間たちが全国各地に存在します。 ◆ワラジかつ丼 埼玉県秩父(小鹿野町)の”安田家”の名物料理で、管理人も2000年に食べに行ったことがある。丼に盛られたご飯の上に、秘伝のタレ(醤油ベース)に漬けた2枚のカツをのせただけの丼で、見た目がわらじがのっているように見えることからその名が付けられたそうだ。 民家の中にあるので、初めて行く場合少しわかりづらい。昼の営業は11:00〜13:30のため、到着時間を間違えないように!私の場合、14:00に着いたので、17:00まで待つハメになり、その日は秩父に泊まることになりました。(トホホ・・・) 【DATA】 安田家 埼玉県秩父郡小鹿野町小鹿野 (0494)75-0074 カツ丼 800円、持ち帰りカツ 1枚300円。11:00〜13:30、17:00〜19:00。水曜定休。 ◆ドミ(デミ)丼 岡山県で有名なのが、カツにドミグラス(デミグラス)ソースをかけた”ドミ(デミ)丼”。ご飯の上にキャベツをのせ、その上にカツ、そしてドミグラスソースをかけてある丼。昭和6年創業の”味司 野村”(岡山市平和町)が元祖と言われる。 ◆かつめし 兵庫県加古川市の”かつめし”も上のドミ丼の仲間で、今はなき”いろは食堂”が元祖と言われる。 特徴としては、平たいプレート皿にライスを盛り、その上にカツをのせデミグラスソースをかけてあり、付け合せとしてゆでキャベツが添えられている。(サラダのお店もある。)またカツは牛カツと豚カツの2種類あり、お店によって片方もしくは両方出している。 兵庫県在住でかつめし大好きのタカさんのHPは、かつめしの紹介コーナーがあり、情報量が多く初めてかつめしを食べるのにとても参考になりました。 先日、タカさんおすすめのいろは食堂の味を受け継ぐ”パラ―ディオ”へ行ってきました。お店は外観・内装ともにとてもオシャレで、デートにも充分使えるほどの雰囲気。雨の日だったのでカッパを着て入った自分が浮いてしまい、チョッと場違いな感じになりました。詳細は”マエダンゴの部屋”のツーレポで報告します。 【タカさんのHP】 http://www.bb.banban.jp/taka/ 【DATA】 パラーディオ 兵庫県加古川市加古川町溝ノ口73-1(”千代の湯”前) (0794)27-7800 11:00〜18:00。火曜定休。 豚かつめし 980円、牛かつめし 1,180円(大盛り共に150円アップ)。 ◆ソースかつ丼(長野県駒ヶ根市) 長野県駒ヶ根市のソースカツ丼は、ご飯の上に千切りキャベツをしき、その上にカツをのせたものが一般的。中でも昭和3年創業の”喜楽”や”精養軒”が有名。キャベツをしくのは、ソースでご飯がベショベショにならないようにということらしいが、超ソーサーの管理人に言わせればそれが良いのだが、皆さんはどうでしょうか?福井にも同じようなカツ丼を出す店がいくつかあるが、福井ではどちらかと言えば邪道です。 山梨県や岩手県、福島県(会津若松)にも同様のカツ丼が存在する。 ◆ソースかつ丼(群馬県桐生市) 群馬県桐生市のソースカツ丼も有名で、中でも元祖と呼ばれているのが”志多美(したみ)屋”や”藤屋”が有名。 ◆しょうゆかつ丼(新潟県) 新潟県のソースカツ丼はウスターソースベースではなく、醤油ベースのタレがかかっているそうだ。食べたことがないので、詳しくは解りません。誰か情報提供お願いします。 ◆みそかつ丼 超有名な愛知県名物”みそかつ”の丼。八丁味噌をベースにした甘いタレが特徴で、好き嫌いが分かれる味だが、私は大好きである。名古屋のみそかつで超〜有名なのが、大須の”矢場とん”。名古屋近郊に多数支店がある。愛・地球博効果か、最近近所のコンビニに”みそかつ丼”や”みそかつ味チップス”なるものが並び始めた。 【DATA】 矢場とん本店 名古屋市中区大須3-6-23 (052)241-2409 みそかつ丼 1,050円(汁付)、わらじとんかつ 1,260円。11:00〜21:00。月曜定休。 戻る |
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●カツ丼道 ”カツ丼道”とは、 ソースカツ丼をいただく際の作法・食べ方等を極めようとすることです。(笑) 店内に入り、まずはメニューを拝見。 ↓ 初めてのお店では、必ずソースカツ丼を注文しよう。 ↓ カツ丼がくるまで、期待に胸をときめかせて待つべし。 ↓ 待つことだいたい5〜10分。いよいよ待望のカツ丼とご対面! ↓ カツ丼には必ずフタがついてきます。フタをあけ、まずソースの香ばしい香りを堪能すべし! ↓ 慌てて箸を進めず、ドンブリにカツが何枚のっているか確認すること。 ↓ 3枚の場合、横に置いたフタの上に2枚のカツを置くべし。 こうすることでゴハンを食べ易くすることができる。 ↓ ”いただきます!”と亡き豚さんに感謝の意を込める。 ↓ おもむろに1枚のカツを一口かじり、合わせてゴハンを口の中に かきこむ。 ↓ 至福の味を感じたら、後はひたすら食べること! 雑誌を見ながら食べるのは、持っての外! ↓ ゴハンとカツのバランスを計りながら食べるべし! カツばかり食べるとゴハンが余ります。 ↓ 味が薄いと感じたら、テーブルのソースをかけるのも良いが、丼のソースと違い普通の ウスターソースなのでくどく(福井弁で”塩辛い”)ならないよう注意すること。 ↓ ゴハン粒の1つまで残さずいただき、フタをしめて心の中で”ごちそうさま”と唱える。 ↓ お店の状況を確認し、混雑時はさっさと席を空けて、次の方に譲ること。 以上 各心得を守りカツ丼を賞味すること! 戻る |