北近江日帰りツーリング Part2 〜夢幻の如くなり〜
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期間:2003年11月12日(水)
バイク:ダボジー(ZZ−R1100C2)
走行距離:294q

 憧れの地へ

 先週、ダボジーのリアタイヤやプラグ・オイルなどを交換し、6万円の散財となったが、その甲斐あってかダボジーのエンジンの調子も良くなった。全快祝い?を兼ねて、先月に引続き再び湖東に行こう!

 今回の目的地は、安土城址へ行くこと。戦国武将の中でも織田信長公(尊敬の念を込めて公をつけたい!)は子供のときから大好きで、ゲームの”信長の野望”にはいまだにハマっている。

 今回はR8でなく、R365経由で滋賀県に向かう。今庄から木之本までのR365は交通量が少なく、特に滋賀県側は快適にクルージングできる。それ比べて福井県側の道は何とかならないのか?(福井県側は上板取〜栃ノ木峠間で冬季通行止めになる) 紅葉が真っ盛りで、余呉スキー場付近でガラにもなくしばし紅葉を愛でる。

 安土城考古博物館
滋賀県立安土城考古博物館
 安土町にある滋賀県立安土城考古博物館(入館料300円)。内部には300分の1の”安土城跡模型”や出土した伝説の”金箔瓦”などが展示されている。
 安土城関連以外にも、浅井氏小谷城六角氏観音寺城など近世城郭史研究や安土の歴史・風土も展示されている。

 考古博物館には、色々な信長公の肖像画が展示されていて、教科書にも載っているお決まりのものから、どう見ても野武士にしか見えないものまで多数展示されている。
 上の写真は、信長の館にある宣教師が書いたと言われる信長の”南蛮風”肖像画でまるで写真のようだ。本当ならなかなかの二枚目だったんだ!

宣教師が描いたとされる信長公の肖像画。

 安土城天主 信長の館

 隣接する安土城天主「信長の館」にある安土城天主(守)閣最上部(5階6階)の原寸大建物。平成4年のセビリア万博に出展されたものを移築している。入館料は大人500円だが、考古博物館との共通券だと640円と160円オトク

 第一印象は、「でっかい仏壇か?」

安土城天主5階部分
安土城天主6階部分
 外観は5階は総朱塗り、6階は約10万枚金箔を使ってあり、溜息が出てくる。外部だけでなく内部も見事に再現されており、信長公が狩野永徳に描かせた金碧障壁画などがある。

 5階の内装は西方浄土、6階は儒教・道教の世界を表現しているらしく、一向宗や延暦寺を弾圧し、自ら神とした信長公の意外な一面が垣間見られた感がある。

 安土城址

 見学を終え、安土城址に向かう。大手道入口では今も発掘作業が行われていた。この山はたかだか標高200mくらいだが、大手道を登り始めると、たちまち息が切れてくる。毎日ここを登城した武士達はすごいと思う。
安土城大手道  安土城大手道は今まで見てきた城郭と比べても桁違いに広い。側溝まで完備された石段は幅9mもあり、真っ直ぐ100mほど伸びている。
 写真の左側が伝羽柴秀吉邸跡で、右側がご先祖様(←ウソ)の伝前田利家邸跡
 やはりこの二人は永遠のライバルだったのかな?
 石段の所々に石仏が使われているが、これは普請の際あまりにも巨大な城のため、石垣の後詰めの石が足りなくなり、信長公の命で近江一円の寺社から墓石等が運び込まれた名残りだろう。仏様を石段に使うとはまさに神を恐れぬ所業だったかもしれない。

 途中森蘭丸など馴染みの武将の館跡を過ぎ、黒金門跡を抜けると二の丸跡本丸跡に辿り着く。穴太(あのう)積と呼ばれる見事な石垣が400年を過ぎた今でも見事に残っている。正直言ってここまでしっかり残っているとは思っておらず、5層7階日本最初の本格的な天守(天主)閣が、まぎれもなくこの地にあったのかと思うと感激で身体が震えてきた。わずか3年で灰燼に帰したのは本当に残念である。(もっとも現存したら間違いなく国宝で、大観光地になっているだろうが・・・
伝羽柴秀吉邸跡
本丸跡で信長公に想いをはせる。

 登ること30分、ようやく天主閣跡に到着。観光客は他には誰もいなかった。
 ここは地階の石蔵であったのだろうか、たくさん礎石が並んでいて、その中の1つの上に座り、信長公に想いを馳せながら、敦盛を口ずさんだ。

 
”人生五十年 下天のうちをくらぶれば 夢幻の如くなり 
  一度生を受けて 滅せぬもののあるべきか”


 他にもハ見寺三重塔や仁王門などの見所があるが、時間も体力も残っていなかった。
 次回来るまでに「身体を鍛えてスリムになるぞ!」と誓いながら下山した。

 さ、さむい!

 帰路、近江八幡市たねや本店に立ち寄り、”ふくみ天平”をお土産に購入。ここは和菓子と洋菓子の老舗で、店内はお客でいっぱいだった。

 日もすっかり暮れて、R365の県境近くにさしかかったのは夜8時を回っていた。気温は余呉で5度の表示だったので、標高からいっておそらく0度近くになっているであろうか、寒さが身体を突き刺してくる。もう頭にあるのは「暖かいお風呂に入りたい」の一言で、たまらず今庄365スキー場にある今庄365温泉”やすらぎ”(500円)に飛び込む。露天風呂で身体の芯まで熱を補給した後、自宅まで残り40qを一気に駆け抜けた。

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