信州日帰りツーリング 〜幻の天丼を求めて〜 
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期間:2005年10月30日(日)
バイク:ZZ−R1100C2(ダボジー)
走行距離:803q

 行程
 (福井県)自宅(バッテリー不調)→(R8)→鯖江市(給油・押し駆け)→北陸自動車道(鯖江IC)(滋賀県)名神高速(米原JCT)(岐阜県)(愛知県)中央自動車道(小牧JCT)内津峠PA(集合場所)→(岐阜県)→恵那峡SA(給油)→(恵那山トンネル)→(長野県)中央自動車道(岡谷JCT)長野自動車道(岡谷IC)(R20・142)和田峠ビーナスライン大門峠(R152)→長門町→利休庵(昼食)→(R152)白樺湖(県40)→スズラン峠→(県192)蓼科温泉”小斎の湯”(県192・40)→白樺湖(給油)→ビーナスライン車山高原(休憩)→和田峠→(R142・20)長野自動車道(岡谷IC)中央自動車道(岡谷JCT)→駒ケ岳SA(休憩)→(恵那山トンネル)→(岐阜県)→恵那峡SA(休憩)→(愛知県)中央自動車道(小牧東IC)keiichi_wさんと別れる→名神高速(小牧JCT)名神高速(小牧IC)蘭さんと別れる→(岐阜県)→養老SA(休憩)→(滋賀県)北陸自動車道(米原JCT)(福井県)→杉津PA(休憩・雷雨)→北陸自動車道(武生IC)(R8)→自宅
 
 トラブル
 今回はネット仲間の蘭さんkeiichi_wさんオフミーティング。行先はお二人は近場でと考えていたみたいだったが、わたしのワガママを聴いて頂き、前回に引き続き信州に決定。
 目的はズバリ、利休庵へ行くこと。その理由は後ほど述べることにするが、福井から日帰りではかなりの強行軍だが、愛知県在住のお二人にとっても、シタミチではハードスケジュールになるため、高速を利用することにし、中央道内津峠PAで8時に待ち合わせすることになった。
朝5時に出発しようとするが、エンジンがかからず1時間ロスする。
 8時に着くためには、高速でも約1時間30分かかるため、遅くとも6時には出発しなければならない。しかし節約するため、できるだけシタミチで行こうと5時に出発することにした。

 辺りはまだ真っ暗で、気温もかなり低そうだ。ご近所に配慮し、家の前の広場までダボジーを押していく。さぁ出発だ!とキーを回しセルボタンを押すが、セルモーターは弱々しい音を立てるだけで、エンジンがかからない。またバッテリーが弱っているのだろう。何度やってみてもエンジンはかからず、ますますバッテリーが弱くなっていくようだ。
 しかたなくクルマを回し、ブースターケーブルでクルマのバッテリーからチャージ。なんとかエンジンはかかったが、ツーリング中にまたアウトになると、迷惑をかけるのでしばらく暖気を兼ねて充電させる。
 ボッボッボッと静まり返った早朝に、ダボジーの排気音が響き渡る。ヤバッ、ご近所の灯りがついた。早く出発しないと・・・
 
 
 ふたたびトラブル
 そんな訳で約1時間ロスし、6時に出発。途中給油のため、R8沿いのGSへ立ち寄る。給油後出発しようするが、再びエンジンがかからない。またもやバッテリーのようだ。
 店員にブースターケーブルがないか尋ねるが、置いてないとの返事。時刻は6時20分。このままでは待ち合わせ時刻に間に合わない。それどころか、お二人の携帯番号を聞いていないので、連絡しようにも連絡できない
 色んなことが頭を駆け巡り、パニック状況のなか、(あ〜ぁ、今日は中止しないといけないのかなぁ)と落ち込んでいると、店員が救いの手を差し伸べてくれた。

 「押し駆けしましょうか?」

 『あ、ありがとうございます。』

 ダボジーに跨り、彼に押してもらう。

 かかれ〜!かかってくれ〜!

 ギアを2速にし、クラッチを戻す。すると、

 ブォ〜ン

 やったー!かかった!
 彼にお礼を言い、再度出発。げっ!もう6時30分だ。ヤバイ!急がないと・・・

 もう内津峠PAまでは、絶対エンジンを止めないぞー!
 
 
 内津峠PA
内津峠PAで、蘭さんとkeiichi_wさんと合流。  鯖江ICから北陸道に入る。気温は5℃と冷気が身体に突き刺さる。どこかPAかSAで暖を取りたいところだが、待ち合わせ時刻が近づいているのと、エンジンを止めたくないため、ノンストップで一路内津峠PAを目指す。

 時速1●●q(ピー)で走行し、なんとか8時ギリギリに内津峠PAに到着。お二人とも既に到着済みだった。後で知ったが、keiichi_wさんは7時30分頃、蘭さんに至っては7時に着いていたそうだ。早すぎだって!
 『初めまして・・・』
 実はお二人にお会いするのは、今回が初めてで、簡単な自己紹介を済ませ、本日のルートの確認。ここでもわたしのワガママで、利休庵には11時の開店前に到着したい旨を伝え、先に利休庵に行くことにする。

 先頭はkeiichi_wさん、次に私、最後尾が蘭さんということになり、出発。
 さぁ、エンジンはかかるだろうか?

集合してからも、バッテリーのことが気になって仕方なかった。
 キュルキュルキュー、ブオーン、ブオン、ボン、ボン・・・
 フゥ〜。かかった!ヤッター!

 山岳道の中央道は、やはり寒い。途中給油で恵那峡SAに立ち寄るが、蘭さんと二人、寒さに凍える。全身皮スーツのkeiichi_wさんは、暖かそうで平然としていた。
 
 
 ビーナスラインT
 岡谷ICで高速を降り、ここで一旦私が先頭になるが、道を間違えそうなので蘭さんに代わってもらう。
 R142(旧中山道)からビーナスラインを目指す。和田峠にさしかかり小休止。標高が高いせいか肌寒い。晴天の休日ということもあり、多くのライダーが轟音と共に通り過ぎていった。

 霧ケ峰車山高原を見ながらビーナスラインを快走。前方のkeiichi_wさん、シブイです!

ビーナスラインの合流点、和田峠。
前方に広がる霧ケ峰を見ながら、ビーナスラインを快走。
 
 
 利休庵T
古民家風の外観の利休庵。  大門峠からは再び私が先頭になる。R152を北上し、利休庵を探すが道沿いにあり、スンナリ発見できた。時刻は10時50分、どうやら開店の11時前に到着することができた。

 入口前には既に10名ほど先客がいて、みな開店を待っている様子。入口の順番待ちに名前を記入し、開店を待つ。
 何故、この利休庵にこれほどこだわったのか?というと、ここの名物”天丼”を是非とも食べたかったからだ。2週間前の1泊ツーの際は、時間の関係で残念ながら寄れなかった。
 そこまでしてこだわる天丼とは、見てのお楽しみだが、実はこの天丼、残念ながら今年(2005年)の11月18日付メニューから無くなってしまうのだ。

 グルメライダー食いしん坊バンザイライダーを標榜する私にとって、この天丼を食べずして、その名を語ることなどできやしない。ここで食べておかないと一生後悔することになるだろう。

 一期一食。

 全ての食事はその時限りで、二度と同じものには出会えない。悔いを残さず食べることが、私に課せられた使命である。

 そんな私のワガママに、蘭さん、keiichi_wさんは寛大にも付き合ってくださったのだった。感謝。

 お店の人の話では、天丼は具材の調達が難しく、少量しか提供できないのと時間がかかることもあり、止む無く廃止するそうだ。また天丼は1日限定5個までなので、食べたい場合は開店前に来てないと無くなってしまうらしい。
 
 
 利休庵U
 11時。暖簾がかけられ、お店が開店。3人とも店内に案内される。
 私は蘭さん、keiichi_wさんに、『ここのオススメは天丼です』と告げ、3人とも天丼にしよう決める。

 『天丼3つ!』

 「ゴメンなさい!天丼は5個限定なので、1テーブル1個ということにさせていただいています。」

 『えっ!1人だけ?』

 せっかくここまで来たのは、天丼を食べにきたのだ。それを1人だけとは・・・。どうしよう。ここは私が譲って・・・などと考えていると、keiichi_wさんが

 「じゃ、私はこの子天丼でいいです。」

 なんと大人的な、なんと自己犠牲的な方なんだ。蘭さんも子天丼でイイとおっしゃったが、お店の人は

 「スイマセン。子天丼も1テーブル1個とさせて・・・」

 蘭さんは、「じゃ、私はかき揚げ丼でイイですよ。」と申し出られた。
本命の前に御新香が出てくる。  お二人とも私に気を遣って別メニューに替えて下さった。本当にありがとう。
 お店の人の話では、天丼・子天丼は揚げるのに時間がかかるので、1時間ぐらい待ってもらうことになるとのこと。
 
 
 利休庵V
 料理が来るまでの間、3人でネットのこと、ツーリングのことなどを話し合う。
 待つこと40分。まず蘭さんの注文されたかき揚げ丼がやってきた。
バベルの塔の如くそびえたつかき揚げ丼(そば付・1,260円)。こちらは引き続きいただける。

 私以上にあちこちを駆け巡られ、色んなグルメを堪能されている蘭さんも、さすがにコレには目がテン状態。
 『えっ、これが、かき揚げ丼?』
 「どっから食べればいいのだろう?」 keiichi_wさんも圧倒され、言葉がない。

 そうこうしているうちに、残りの料理もやってきた。
子天丼という名前からは想像もつかないボリューム。子天丼も終了してしまうそうだ。

 『うぁ〜すごい!これが天丼か!?』
 というkeiichi_wさんの言葉に、お店の人は
 「これが子天丼です。」

 今度はkeiichi_wさんの目がテンになる。子天丼という可愛らしいネーミングだが、10種類以上の天ぷらが丼の上に突き刺さっている。これで子なら、の天丼は・・・
20種類以上の天ぷらが入った丼は、もはや芸術作品というべき域だ。

 「お待ちどう様でした。天丼です。」

 一同唖然とするしかなかった。20数種類の山の幸、海の幸の天ぷら立体パズルの如く積み上げられている。なるほど、この具材を集めるのは確かに大変であろう。周りのテーブルからも、一斉にその姿に驚嘆の声が上げる。

 これはもう料理というより、芸術作品の域である。
食べても食べてもなかなか減らない。  夢にまで見た幻の天丼。どこから箸をつけて良いのだろう?
 まずは載っている天ぷらを一つ一つ崩れないよう、用意された皿に移し変える。あっという間に別皿に天ぷらが積み上がり、ようやくご飯が見えてきた。

 『いただきま〜す!』

 人参・牛蒡・春菊・えのき茸・いんげん・茄子・サツマイモ・リンゴ・レンコン・ワサビ・セリ・クレソン・ブロッコリー・アスパラ・大葉など野菜が豊富。サクサクしていて、それでいてカラッと揚がっている。特製の天ツユも私好みの味だ。

 最初はガンガン箸が進んでいたが、天ぷらを半分食べたあたりから、少しペースが落ちる。いくらカラッとしているとはいえ、こうも天ぷらばかり食べているとやや飽きてくる。

 でも天丼を譲ってくれた二人の前で、残すことなど許されるはずもない。最後はチョッと食傷気味ながら、なんとか完食する。

 ※詳細はテラめし倶楽部でも紹介しています。
 
プロの意地?にかけて、無事完食。
 
 
 小斎の湯
 お腹も膨れ、次は温泉ライダーのkeiichi_wさんご所望の温泉へ。行先は茅野市の蓼科温泉にある小斎の湯
 ここは今年蘭さんが見つけて、天空の城ラピュタのような宙に浮かんだ感じがする温泉と絶賛していた。
 温泉は斜面に建っていて、紅葉が真っ赤に色付いていた。

蓼科温泉・小斎の湯。
館内には6つほど浴室があり、迷路のようだ。 フロントと休憩所 歩廊は枝分れしながら斜面を登っていく。 紅葉がキレイ。
混浴露天風呂の見晴らしの湯へ向かう。
 ここにはいくつか浴槽があり、それらが細い歩廊で結ばれている。一番眺めが良いと思われる混浴露天風呂の見晴らしの湯へ向かう。
 斜面に沿って造られた歩廊は、途中でいくつかに枝分かれしており、さながら迷路のようでなんかワクワクしてくる。

見晴らしの湯。

 斜面の上部にある見晴らしの湯からは、紅葉を愛でながら入浴ができる。なるほど蘭さんが絶賛するのもナットクだ。ここは一応混浴になっているのだが、他に女性専用の露天風呂もあるので、いるのはもちろん男性ばかり。当たり前といえば当たり前だが、チョッと残念。
 お湯は源泉かけ流しで、やや熱め。帰りの寒さのため、しっかり身体の芯まで暖まっておこう。
 
 
 ビーナスラインU
白樺湖。  時刻はまだ3時前だったが、日帰りということもありそろそろ帰路につくことにする。
 白樺の木々も黄色く色付き、晩秋の雰囲気が漂う。
 途中ライダーが道端に大勢いたので、思わずピースサインしてしまったが、どうやら彼らの仲間が事故ったらしい。そう言えば先ほど救急車にすれ違った。勘違いしてスミマセン。

展望台から白樺湖を望む。蓼科山はあいにく雲でよく見えなかった。
諏訪湖方面を望む。 夕暮れが近づき、気温が下がってきた。 車山高原のレストハウスで休憩。 なぜか館内にグライダーがあった。
走行中に蘭さんが撮影された写真。いつの間に? 同じく蘭さん提供の1枚
 
 
 寒いよー!
恵那峡SAにて。  行きと同じく岡谷まで戻り、中央道で一路名古屋方面へ。
 駒ケ岳SAで途中休憩したが、蘭さんは寒さでグロッキー寸前。私も人並以上の脂肪で防寒しているとはいえ、寒い。こういう時、恵那山トンネルのような長いトンネルは風除けになり暖かく、ありがたい。

 また恵那IC付近からは渋滞していて、すり抜けながらの走行となる。


 小牧東ICでkeiichi_wさん、小牧ICで蘭さんとお別れする。今日1日、私のわがままにお付き合いいただき、本当にありがとう!また走りましょう!

 蘭さんたちと別れても、こちらは福井までまだ150km近くある。寒さに耐えながら一路北陸道を北上。敦賀に入り幾分温かく感じるが、トンネルを抜け嶺北に入ると、雷と雨。たまらず杉津PAにピットインし、カッパを装着。結局家に着くまで、雷雨の中の走行となった。

 22時、自宅に到着。オドメーターは803q。高速を使ったとはいえ、今日はよく走った。家に着いた安心感からか、どっと疲れが出てくる。頭もボーっとしてきて、喉もおかしい。どうやら風邪を引いたみたいだ。

 パソコンでkeiichi_wさんのホームページをチェックしてみると、案の定、もう今日のツーレポがアップされていた。 早っ!
この日の走行距離:803q

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