2008秋 栃木ツーリング
 2008年10月5日() 晴れ時々曇り 
 
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 その2 感動の地下宮殿
 
 大谷公園(平和観音)→大谷資料館
 
 大谷資料館@
 大谷公園を後にし、本日のメイン、大谷資料館へ。ここは1919(大正8)年から1986(昭和61)年まで約70年間に渡って大谷石を切り出した地下採掘場跡で、地下30mに間口150m×奥行き140m、総面積20,000u巨大地下空間が広がる。
 資料館の周りには垣根掘りされた巨岩が点在し、中には〜の要塞に出てくるようなトーチカのようなものあった。
11:30 大谷資料館
戦争映画に出てくるような要塞のような岩山。 大谷資料館の近くにある屏風のような奇岩群、「御止石」。
 
 
 大谷資料館A
資料館の建物。  駐車場は割りと広いが、砂利敷きなのでダボジーを停めるのに少々苦労。
 入場料600円を支払い館内へ。地上にある資料館1階は展示コーナーになっており、地下採掘場の模型や大谷石の軽さを体験するコーナーなどがある。
 大谷石は地質学的には流紋岩質角礫凝灰岩とされ、2000万年前、日本列島の大半がまだ海中にあった際に、火山の爆発で噴出した火山灰軽石が海底に堆積・凝固してできあがったとされている。
地下採掘場の模型。 休憩コーナーの椅子も大谷石でできている。
 特徴としては、耐火性に優れ、重量が軽く、石質が柔らかいため、加工が容易で古くから礎石や石垣など石材として多く利用されてきた。現在愛知県の明治村に移設されているフランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテルにはこの大谷石が使われた。
 私の郷里の福井にも、大谷石と同じ火山礫凝灰岩の仲間である笏谷石(しゃくだにいし)があり、なんか親しみを感じる。
大谷石の軽さを体験するコーナー。黒御影石の比べると半分以下の軽さ。
 
 
 いざ地下宮殿へ
 いよいよ地下採掘場跡へ。階段を下りていくにつれ、ひんやりとした空気が感じられる。地下坑内の年平均気温は8℃前後。まさに天然の冷蔵庫で、昭和40年代には政府米の保管倉庫として使用されたこともあった。この日の坑内気温は12℃だったが、やや蒸し暑い地上から比べると、チョッと肌寒い。
 明るい場所からいきなり地下30mに来たせいか、辺りは一面の漆黒の世界。灯りもあえて少なくしているせいだろうか、暗順応できず奥の様子はほとんど分からない。
階段を下りて、地下坑内へ向かう。
最初、目が慣れないうちは、こんな感じしか見えない。 少し目が慣れてくると、おぼろげに奥が見えてきた。
 
 
 幻想の地下宮殿
両側に巨大な石柱が並ぶメイン回廊の先には、幻想的な石のモニュメント。まさに地下宮殿と呼ぶに相応しい。
 次第に目が慣れてくると、奥の様子や巨大な空間の全貌がおぼろげながらも見えてきた。
 天井を支える大きな石柱。メイン回廊の奥には、オベリスクのような黒い石のモニュメントがライトアップされ、幻想的な雰囲気を醸し出している。まさに映画で見た古代エジプトの宮殿のようで、地下宮殿と呼ぶに相応しい。

 これは坑内掘りと呼ばれる採掘形態で、山の中腹から垣根掘りに掘り進み、ある程度奥行きが出来ると、柱を残しながら平場掘りに掘り下げて行く。そのため柱の上層部には垣根掘りでできた縦縞の溝が付いており、柱の中部から下には平場掘りでできた横縞の溝が付いている。現在でもさらに地下数十mの採掘場で、大谷石の採掘がされている。

 この巨大空間、戦前は陸軍の地下秘密倉庫や中島飛行機(現:富士重工)の地下軍需工場として利用されたという負の歴史も持っているが、1979(昭和54)年に一般公開されてからは、クラシックのコンサート美術展演劇場などの文化活動拠点として利用されている。
 最近ではテレビドラマやCMの撮影もよく行なわれ、GLAYやB’zのPVも撮影されたことがあるそうだ。
 またここには地下教会もあり、結婚式もおこなうことができる。この日もちょうど駐車場で、スーツやドレスを着た参列者たちの姿が見受けられた。新郎新婦だけでなく、参列した人たちにとっても、きっと想い出深い式になるだろう。お幸せに!

幻想的な空間に、言葉は要りません!
ひんやりした坑内の気温は12度。 坑内の奥には、地上の光が差し込む場所もある。
 ※写真は露出調整して撮影しているので、実際目で見た様子はかなり暗く感じます。
 
 
 学習もできます
採掘された大谷石は裁断機で規定の大きさに裁断される。  地上へ戻る順路沿いには、採掘に使われた道具や機械、裁断された石材などが展示されている。
 石材は長さ3尺(約90cm)で、五六、五七、五八など規定の大きさに裁断される。前の数字が厚さ(寸)、後の数字が幅(寸)を示しているそうだ。
 花崗岩や安山岩などの火成岩と比べ、見た目が柔らかく感じる大谷石だが、意外に耐久性もあり、石垣などの擁壁にも認定されている。
大谷石は石垣などの擁壁材としても使われ、国交相の認定も受けている。 大谷石の表面に付着する白い部分はゼオライト(沸石)。

 【大谷資料館】
 栃木県宇都宮市大谷町909 地図
 028-652-1232 大人600円子供300円
 9:00〜16:30(入場は16:00まで)
 木曜(8月を除く)・年末年始(12/24頃〜1/1)
 http://www.oya909.co.jp/
 
 
 こんなの売ってました
 天然のクーラーが効いた地下宮殿から地上を戻ると、10月だと言うのにやたら暑く感じる。涼を求めて売店へ。
 大谷石を使ったお土産ものが、灯篭、植木鉢、置物などの大物から、マグカップ、お猪口、コースターなどの小物まで所狭しと陳列されている。
 特にすき間から柔らかな灯りが漏れる電気スタンドには惹かれたが、ダボジーに積んで帰るのは心配だったので、断念。
 もっとも財布も結構キビしかったのだが(笑)
大谷石を使った灯篭や置物。
福蛙という縁起物。顔が凄くコワイんですが・・・(笑) こちらは大谷石のライト。柔らかな灯りがステキ。

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